マンション管理士の独り言・・・87

「分譲駐車場の行く末」

何度も言っていますが、マンション敷地内の駐車場は、管理組合と使用契約を結び利用します。
そして使用料は修繕積立金に充当されるものです。(使用料を管理費に充当する管理組合が多いのにも閉口しますが)
この駐車場を分譲するマンション売主が後を絶ちません。法律違反じゃないから、良いっていえばそうなのですが・・・。

マンション売主には、分譲代金が入るからホクホクなのでしょうが、管理組合は困ります。上述のように駐車場使用料が修繕積立金に充当されなくなるので、将来の大規模修繕工事実施時に不足がでてくることが十分予想されます。

しかし、最近の裁判例を見ると、分譲駐車場も未来永劫無償で使用できるものではなくなってきています。
当初に投下した資金を回収できる時期になると管理組合の要請により使用料を支払わなくてはならなくなってきています。
例えば、200万円で取得した分譲駐車場も、そのマンションの駐車場使用料が8000円として1年で約100,000円。
20年経過すれば2,000,000円となります。
取得に要した費用は回収されたことになり、それ以降は管理組合の要請により使用料を支払わなければならないという裁判例が出てきています。

区分所有法には、総会などの取り決めにより一方的に不利益を蒙る人があれば、その人の承諾が必要とありますが、分譲駐車場使用者の不利益は「受忍限度内」なので承諾はいらないとされています。
分譲駐車場を購入しようと思っている方は、ず~っと無料(または少額の負担)で使用できるなんて思っちゃダメですよ。
それにしても罪作りな分譲方法です。