マンション管理士の独り言・・・884

マンション管理士の独り言・・・884

「踏んだり蹴ったり・・・解体業者さんの災難」

大規模修繕工事のコンサルタントを行ってから以降、ずっ~とお世話している北区の管理組合さんです。
“理事会にも総会にも出席しなくていい、何か困ったことや質問あった時だけ世話してほしいので格安の顧問料でお願い”って言われて、他の管理士には言えないビックリするようなチョッピリ顧問料でお世話しています。

そのマンションの西側で鉄筋コンクリートの社宅の解体作業が始まりました。
解体業者さんから各戸へ「解体工事着工のお知らせ」が年末に投函されていました。
理事長さんからさっそく電話で“簡単なお知らせチラシだけでは困る。解体業者さんへ説明会するように言ってよ”です。
こちらの管理組合さんに限らず最近はこのようなご依頼ばかりですが、解体業者さんへ連絡し説明会実施の運びとなりました。

職人さんが5人くらい来て説明会を開催してくれました。この場で、“解体時に使用する重機の震動で、こちらのマンションに被害が出るかもしれないっしょ、着工前に家屋調査をやってよ”と、私からの要望です。
これは別に意地悪でなく、当マンションのエントランス床タイルにクラックが見られるので、解体工事で発生したものかどうかをお互いに確認しておく必要があるとの考えからです。
また、解体工事中はホコリが舞うので、“散水はタップリ”でお願いしました。
キチンとした解体業者さんなので、家屋調査も1日かけてやってもらいました。
床タイルについてはつぶやき主が叩き、浮きを確認してもらいました。
更に解体工事に伴って当マンションに駐車している車両が汚れるだろうからとして、洗車代までご負担いただきました。
ワックス洗車代までは流石に厚かましくて言えませんでしたが、水洗い2回分を全住戸分ご負担いただきました。

でもいただくお金っていうのはその後の処理が大変なんです。組合員一人一人のものですから、管理費などに充当することは出来ません。
全住戸分封入し、曜日を決めて取りに来てもらわなきゃなりません。もれなく全戸に行き渡らせるっていうのは結構大変な作業です。つぶやき主の仕事が増えただけでした。

最近の解体業者さんは大変です。
コンクリートと鉄筋、更には木材を分別して解体、廃棄しなければなりません。
家庭ごみと一緒の扱いです。もっとも鉄筋についてはかなりの量になり、鉄くず屋さんに売り渡しますので、これはちょっとしたお小遣いになります。
それに近隣対策。

更に後日談ですが、当管理組合からの要請で、タップリ散水していたところ、それが近くの川に流入しました。
コンクリートの粉が混ざった排水ですから、PH10以上の高アルカリの排水です。
通常の河川は、PH7程度の中性ですから、PH10が流入してくるのは困ります。川の生態系に影響を及ぼすことが懸念されます。
河川課だか、まちづくり整備課だかが現場にやってきて、解体時の排水をそのまま河川に流してはいけないと指導されたようです。
現在では、散水してPHが高くアルカリ性の排水をそのまま川へ流すのではなく、一旦溜めて認められた薬剤を投与し中性化させているそうです。

どのお仕事でもそうですが、大変です。