マンション管理士の独り言・・・891

マンション管理士の独り言・・・891

「マンション購入時、最低限気をつけなければならない事」

マンションを購入する際に、これだけは気を付けなければならないことは、その人によって違うって、思ってませんか?
通勤に要する時間、学校区、利便性、確保できる駐車区画、環境、設備仕様、価格、売主など人によって何に重きを置くか、何を優先するか、によって選ばれるマンションは異なってくる、なんて思っていませんか?
これは半分正しいが正解じゃありません。

正解は、将来管理組合でトラブルにならないマンションを購入することです。
“将来トラブルになりそうなマンションってわかるの?”って聞かれれば、わかります。
トラブルになりそうもないマンションでさえトラブルになるケースがありますから、トラブルになりそうってマンションはまず間違いなくトラブルになります。

購入者と売主、購入者と建設会社(ゼネコン)、管理組合と売主、管理組合とゼネコンはありがちな構図ですが、購入者と購入者、つまりは管理組合内部でのトラブルは是非避けたいものです。管理組合内部での組合員同士のトラブルは、勝者敗者はありません。どちらも敗者です。

どんなマンションがトラブルになりそうなのか・・・
北九州で多い、分譲駐車場はまず間違いなく将来トラブルになります。
「いくら当初大金を出して駐車場を買ったからと言って、管理組合にほとんど賃料を払わず、あんないい場所を長いこと使ってる。いい加減に場所を変わってよ。賃料だって支払ってよ。その分修繕積立金が貯まんないでしょ」となります。
分譲駐車場所有者VS賃貸区画利用者みたいな構図になり、訴訟も頻発しています。

「未販売住戸の管理費・修繕積立金を売主が負担しない」って、しているマンションも、完売できない期間が長いだけ未納分が増えますので、つまりは修繕積立金が貯まらず、大規模修繕工事時に一時金の徴収でまかなわなきゃ、なんてなります。

「専有部分の売買・賃貸の際、駐車区画を次の購入者(或いは賃借人)へ引継ぎできる」ってしてるマンションもトラブルになる可能性があります。
“分譲当初、ちょっと遅れて買ったから軽区画になった。乗用車に買い替えたいが、売買住戸が出ても次の所有者に引き継がれていくから、いつまで経っても乗用車区画へ移れない”という感じです。

しっかりした値上げ計画が示された長期修繕計画を提示していないマンションも、修繕積立金の値上げを総会で承認しようとする際に、“修繕積立金が値上げされるなんて聞いてなかった”という意見で紛糾することしばしばです。北区のマンションでは25年後に修繕積立金が当初の6,4倍になる長期修繕計画でしたが、購入者にキチンと提示していました。
長期修繕計画を提示しない売主までいるから、驚きです。またそれで納得しちゃう買主もいますから、もっともっと驚きです。

最近増えてきたのは、敷地内に駐車区画を100%確保せず、敷地外に売主名義で駐車区画を用意するマンションです。その部分の駐車料金は、貸主であるマンション売り主に入りますので、それだけ管理組合の修繕積立金が貯まっていかないとなります。

また、3LDK、4LDKの家族向けのタイプに1LDK,ワンルームタイプが混在しているマンションもトラブルになる可能性大です。
1LDKやワンルームを買う方の多くは投資目的です。もしその住戸を民泊にされたら、と考えれば理解できるはずです。

第1期、第2期と工期が分かれている大型プロジェクトも良く考慮しなければなりません。いつ2期工事が開始されるのか?購入して楽しいマンションライフが始まったとたんに、隣で2期工事が始まり、振動やホコリ、騒音がひどい、なんてならないようにプロジェクト全体を鳥瞰しなきゃ、です。

次回もう少しつぶやきます・・・。