マンション管理士の独り言・・・894

マンション管理士の独り言・・・894

「充実した共用部分」

「買わない方がいいマンション」でまだつぶやき足りないので、もう少し“独り言”を・・・
“独り言”と言っても、ホームページをリニューアルした効果が現れ始めたのか、閲覧数がうなぎ登りに増えています。
毎日コンスタントに500ビューはカウントするようになり、それに伴い問い合わせやご相談も増えてきました。こんなに大勢の方に閲覧いただいて、“独り言”ってタイトルでいいのかなって、考えちゃいます。

結論から言うと充実した共用部分は、全くおススメ出来ません。余計な設備です。
以前のマンションは管理組合用のポストもなく、つぶやき主が市住宅計画課と協力して行った「北九州市マンション実態調査」の際には、郵便物の宛先をどこにしようか困ったことがありましたが、最近のマンションでは流石に管理組合用ポストはあるようです。
このポストに加えて集会室は必ず必要です。個室の集会室がベストです。
集会室の代わりにエントランスを広くとっているマンションも見かけますが、いくら空調が効いていても、冬場はやはり寒くしっかりした議論が行えません。
広々としたエントランスホールなので見かけ優先なのでしょうが、そこで集会室を兼ねるのでなく、落ち着いた議論をするためにもキチンとした個室の集会室が望ましいです。

宅配ボックスに関しても以前はゴルフバッグが入るような大きなボックスがありましたが、最近は、“そんな大きな荷物入れられても自宅まで運べない”っていうクレームもあり、大きなボックスは無くしていく傾向にあるって、です。・・・日本宅配システム担当者談

それ以外の共用部分は必要ない、というより管理組合のお荷物になることが頻繁です。
小さな子供さん用の一人乗りのシーソーや滑り台などもボルトが錆びて遊んでいる子供さんがケガをしたら大変と、使用禁止にしている管理組合さんも見かけます。
また砂場で遊ぶ子供もいなくなったから廃止して駐車区画にしようとしても、これは共用部分の重大変更になりますから、総会で4分の3以上の賛成が必要とされる特別決議となります。
分譲当初は使用していたとしても段々使われなくなり、その設備や部分を廃止し他の用途に変更しようとする際には、総会での決議が必要になり、用途変更については特別決議が求められます。

スタディルームやシアタールーム、などは将来使われなくなった時のために、部屋だけ用意しています、としているからギリギリセーフですが、スポーツジムなどはアウトです。
器具が破損して使用者がケガをした時の管理責任や器具のメンテもあり、管理組合のお荷物になることが容易に想像できます。

充実した共用部分になっている、その分だけ住戸の値段が上がっていることは知ってますよね。
更にその共用部分や設備の維持メンテナンスのために管理費負担が増えているってことは知ってますよね。
将来使われなくなり、廃止する際の撤去費用も管理費から支出されるのは知ってますよね。
廃止したり、用途変更する際には、総会での承認が必要で、何より合意形成が必要だってことは知ってますよね。
例えばチャイルドルームやスタディルームにマンション居住者以外の子供が来て使用することがあり“溜まり場”化するってことは知ってますよね。
スタディルームのコンセントで携帯充電したりして、トラブルになるって知ってますよね。

「充実した共用部分」そりゃ、売れれば売主さんは良いだろうけど、管理をする立場からは大変なんです。必要以上の共用部分は作んないで、って言うのが管理に携わる者の本音です。