マンション管理士の独り言・・・895

マンション管理士の独り言・・・895

「桜の木は、厄介者」

「買わない方が良いマンション」について、しつこくつぶやきます。
梅が終わり、桜の時期です。
ピンクの花びらも綺麗だし、つぶやき主も大好きな樹木、季節でした、以前は。以前???今は、あまり好きじゃありません。
今というよりマンションの管理に携わり出してから、ハッキリ言って嫌いになりました。
つぶやき主のほかマンションの管理に関係する人は、桜の事をあまりよく思っていません。

年に1度一斉に咲く時期は、流石に“綺麗だ”なんて思いますが、散って落ちた花びらの掃除は大変です。
その下に停めていた車両に落ちた花びらがくっついて中々取れません。
分かってない人が、分譲時に桜の木の下の駐車区画を敢えて選んだりしますが、花びらが散るころにはクレームになります。
また、樹液も大量に垂れてきます。その上毛虫が多い樹種でもあるから困ったものです。
下関のマンションでは、毛虫がバルコニーに干していた洗濯物に絡まり、それを知らないまま手でつかんじゃって、って被害も発生しています

また、桜の木の根っこは排水管や排水桝、歩道に敷き詰めたインタロッキングなどに悪さをします。
歩道に敷き詰められたインタロッキング(色違いのレンガの様なもの)が桜の木の根っこによって盛り上がっているのはよく見かけます。
排水管や排水桝に入り込んで、排水の流れを悪くしちゃいます。排水管の中は根っこにとってみれば、栄養たっぷりな環境なのでドンドン大きくなって、伸びていきます。
この補修には、結構お金がかかる割には、方法は根っこを切るしかないので、“切ったけどまた伸びてきました”“また切りましょう”とイタチごっこになってしまいます。

運悪く洗濯物に挟まれた毛虫をつかんじゃった方、落ちた花びらや垂れた樹液で車両が汚れて洗車してもなかなか落ちない、そんな被害にあわれた方は、“桜の木を切ってくれ”というクレームを寄せてきます。

桜の木を切ることは理事会独断では出来ず、総会での承認事項となります。桜の木を切った後を、例えば駐車区画にするというのであれば特別決議となります。
つぶやき主は「○○の位置にある1本の桜の木の伐採」という議案を2度提案したことがあります。それぞれ別の管理組合でのことです。
2回とも否決されました。
否決した方のご意見はこうです。「被害にあわれた方についてはお気の毒と思うけど、年に1度の満開の桜を愛でている。切らなくていいじゃん」です。
実害に遭われていない方からすると、桜の木は愛でる以外の何物でもありません。

他の樹種ならば、伐採についてはあまり反対意見は出ませんが、桜の木は厄介です。
伐採について総会で承認を得るのはまず難しいと感じています。
桜の木からはなるべく遠いところに住戸や駐車区画を選びましょう。
遠くから眺めれば、「満開の桜」こんなにいいものはありません。

マンションの管理面からみると、「桜の木は厄介」です。