マンション管理士の独り言・・・896

マンション管理士の独り言・・・896

「そんなに役員になりたくないの?」

4月から5月にかけて通常総会の時期です。
通常総会では、新旧役員さんの交代があります。
つぶやき主がお世話している管理組合さんでは通常総会1か月前くらいに開かれる決算理事会には、新しい役員さんにも参加していただくようにしています。
“あなたは、次期役員さんですよ。よろしくね”って感じです。
その場で役職を決めて総会では理事長○○さん、副理事長△△さんとして承認を得る組合さんもあります。

理事会開催1週間前くらいに理事会案内を投函します。
次期役員さんにも“理事会に参加してね”ってご案内します。
そして・・・、この案内書投函の後には、次期役員さんから連絡があります。
毎年決まって、複数人からあります。

“私の順番じゃないはずだ”“家に病人がいて役員は勤まらない”“勤務の関係で理事会には出られないから、就任できない”“高齢なので、無理”など理由は様々ですが、全てが役員に就任できない(したくない、とは言っていません)から何とかしてくれ、ってことです。

“つぶやき主が決める事でもないし、決める権限もないので、理事会に諮ってみますね”と一応返答はします。
理事会で、“次期役員候補の○○さんが△△の理由で役員に就任できないって言われていますが、どの様に取り扱いしますか?”と報告します。
これに対して理事会の返答はいつも一緒です。
“私達だってやりたくなかったけど1年間やってきたのだから、やってもらわなきゃ”“皆それぞれ事情があっても何とか都合付けて理事会に参加した。個々の事情を聴きだしたらキリがない”です。
一人として“そんな事情があるなら役員就任を見送ったら”という意見を言うことはありません。

理事会の方針を「役員やりたくないよ~」氏へ伝えます。困ったような表情で、“仕方ないな~”です。
そして次のステージへと進みます。
役員になるのは仕方ないけど、理事長だけには何としてもならない、って堅く決意した表情です。

役職決めの時に、ご年配の方は“高齢だから理事長は無理。若い人がやってほしい”
勤務されている方は、“仕事が忙しくてお役に立てない。ご年配の方がなられた方が理事会に重みが増す”
奥様方は、“主人が単身赴任で女性の私では勤まらない”
殿方は、“日頃家にいる女性の方がマンションの事をよくわかっているので女性の方が望ましい”というやり取りがあります。

そして結局、“全員公平になるようにくじ引きとしましょう”という結論に落ち着きます。
“思った通りやはり最後はくじ引きだ”のストーリーです。
一種のセレモニーみたいなもので、このやり取りがあって始めてくじ引きと言う結論に落ち着くのです。
こうなることを見越して管理会社さんは予め「アミダくじ」を用意しています。

“用意がいいな”って声が聞こえてきますが、もう何度も遭遇した、いつもの光景です。

始めは「役員やりたくないよ~」って愚図っていた方でもしっかり1年は役職を勤めることができます。
つぶやき主がお世話してるんだから、大丈夫っすよ。