マンション管理士の独り言・・・903

マンション管理士の独り言・・・903

「抽選会」

つぶやき主の近くの建つ大型マンションの抽選会が月末に控えているという事で、買うべきか?買わないべきか?とお悩みの方からの相談が増えています。
直接事務所に訪ねて来られたりメールでのお問い合わせです。
先日は事務所に来られた方から「あなたがつぶやき主さんですか。・・・・・金麦飲んでます?」なんて言われちゃいました。
この「・・・・」の沈黙の時間が何とも意味ありげでした。いい方に解釈します。
独り言バックナンバーを全部読まれているみたいで、営業マンにとっては一筋縄じゃいかない顧客になっていることでしょう。

この大型マンションに関しては、販売開始前の資料はたくさん所有していますが、販売開始以降の情報が少なく、困ってしまいます。管理規約さえまだ見ていません。
もうすぐ抽選会だというのに管理規約や長期修繕計画を配布せずに申し込みさせる姿勢には感心しません。
また、管理規約さえ見ずに購入しようとする顧客の方もどうかと思いますが・・・。

ところで抽選会って本当にあるのでしょうか?
抽選会っていうのは、一つの住戸に購入希望者が複数人いてくじ引きなどで当選者を決めるために開催するものです。
ルーフバルコニータイプや最上階の特殊タイプなどでは、申込者が複数人いるかな、って程度だと思っています。
150戸近くの戸数があり、“どうしてもその階のその住戸でなきゃ、ダメだ”って方が全くいないわけではありませんが、普通は購入しようと思う住戸に先客がいたら“じゃ、一つ下の階にするか”となります。

1期、2期とある大型プロジェクトで、1期も1次分譲、2次分譲と数次に分けて販売しますので、販売開始時期にはとにかく人気物件だという雰囲気を醸し出さなきゃです。
“同じ住戸に希望者が複数人いて抽選会しなくちゃならないほど人気がある物件だよ”、との風評を出すための抽選会のような気がしてなりません。
また、もし本当に一つの住戸に複数人の希望者がいれば、上手に他の住戸に振り分けるのが営業マンの能力でもあります。
「100人が申しこんだけど、全員が抽選になって結局売れたのは、50戸だった」となるより「申込者は80人だったけど上手に振り分けすることが出来て、全員が無抽選で購入いただけた。結果80戸が売れた」の方が良いに決まっています。

1期148戸、2期135戸が分譲される大型プロジェクトです。1戸でも多く売らなきゃ、です。
ましてや販売代理方式です。「売ってなんぼ」の世界です。
販売会社さんやその営業マンには1戸売れるごとに販売フィーが得られるというものです。

ざっと20年くらい前は八幡東区では、目安として新築マンション年間で100戸売れるとされていました。
しかし残念ながら本プロジェクトに隣接したヴェルデコート大蔵は227戸ですが6年以上かかっちゃいました。
つぶやき主が販売センター長だから、ではなく、このつぶやき主が販売センター長なのに、ですよ。
今回の大型プロジェクトは、それ以上の戸数があります。下手な策は弄せずに地道に着実に1戸1戸販売していくしかないでしょう。