マンション管理士の独り言・・・914

マンション管理士の独り言・・・914

「新役員の皆様へ」

多くの管理組合さんは3月が年度の締めで、その2か月後までの総会開催となっているので、5月は総会ラッシュでした。
5月末には、“お役目ご苦労様でした”と旧理事が退任となり、その入れ替わりで “本年1年(或いは2年)よろしくお願いします”ってことで新理事が就任された事でしょう。
ほとんどの管理組合で役員就任については輪番制なので、“遂に回ってきたか⇘⇘”と意気消沈していないことを祈ります。

新役員さんは何をするのかって言えば、理事会を構成し、管理組合活動を中心となって運営していくのがお役目です。
具体的には、総会で承認された事業計画を執行することです。
予算案を睨みながら執行していかなければなりません。
例えば何かの補修工事の実施が承認されている場合、工事施工者まで決まっての承認ならばその業者と補修工事について時期や仕様決め等実際の工事に即しての細部の打合せを行わなくてはなりません。
業者はまだ決まっていないけど予算だけは承認されているという状態ならば、仕様を決めて数社から見積もりを取るところから始めなくてはなりません。

また、理事会も開催しなければなりません。
国交省は、望ましい対応として月に一度の理事会開催を奨励しています。
標準的な対応としては2か月に1度です。
つぶやき主のおススメは、新メンバーとなっての理事会は3か月くらいまでは月に一度。
その後は、懸案事項を見ながら2か月に一度、次回総会前には月に2度くらいかな、って感じています。

その他理事会では、専有部分のリフォーム工事についての承認書を発行したり、各種届け出の受領、組合員からの要望やクレームだってあります。これらにも向き合っていかなければなりません。

そして何より大事なのは、次回総会に提出する議案を作成することです。
例えば補修工事を行うとして、総会で“A社、B社、C社から見積もりを取りましたが、どこにしましょうか?”という議案の出し方は望ましくありません。
正しい出し方は“理事会では共通仕様書でA社、B社、C社から見積もりを取りました。その結果、○○の理由でB社が一番いいと判断しました。B社に△△の内容で□□の金額で発注することをご承認願います”です。
A社、B社、C社のどこにしましょうか?なんてやっていると、理事会より多くの人数で話し合われる総会では、“A社がいい”“B社にすべきだ”“C社を推す”など意見が沢山出て話し合いがなかなかまとまりません。
挙句には、議案に載っていない“D社が良い”とか言い出す人まで出て収集がつかなくなる恐れがあります。

“理事会でA社、B社、C社を検討した結果、B社が良いと思うのでB社に発注することについて承認してください”って議案を提出するのが正しい出し方で、それこそが理事会の仕事です。

輪番制のいいところは誰もが一度は理事に就任し、管理組合の中枢でどのように管理組合活動が行われていくのか、どのようにして議案が作られていくのかを経験できることです。
嫌がらずに前向きに取り組んでね、って、つぶやき主のお・ね・が・い