マンション管理士の独り言・・・926

マンション管理士の独り言・・・926

「こんな事、出来ました!!」

「こんな事、出来ました。」シリーズ第2弾です。小倉北区のマンションです。
超大手の管理会社さん主導で大規模修繕工事が進められていましたが、どうも高額すぎる?余計な費用が入っている?という疑念が沸き、つぶやき主にご相談です。
つぶやき主の大規模修繕工事セミナーを受講されたようで、本来はどのように進めるべきかを学んだようです。

当初は、その管理会社さんを工事請負者として責任施工方式で大規模修繕工事を実施しようと考えていたようですが、方針変更し、設計監理方式で進めることとなりました。
つぶやき主グループが設計監理+合意形成でプレゼンを行いました。
すると、今までは工事施工受注にまっしぐらだった管理会社さんが、設計監理に手を挙げてきました。工事受注は目指さないとのことです。明らかなつぶやき主外しのための行動です。つぶやき主に、このマンションに関わられると困るみたいです。

管理会社さんのこのような「つぶやき主外し」企業姿勢にも総スカンが出されたようで、プレゼンの結果は、言うまでもなくつぶやき主グループにご依頼、となりました。

大規模修繕工事を開始するにあたって、まずは図面(竣工図書)の確認です。
すると竣工図書には記載されている階段部分の雨水竪樋が実際には設置されていません。この管理組合さんでは、豪雨時屋外階段から流れ込む雨水で玄関エントランスが度々水浸しになっていました。豪雨時には役員さん総出でエントランス横に常備している土嚢で浸水を防いでいました。
管理組合では、何度も管理会社さんを経由して売主や施工会社へ改善を申し入れていましたがノラリクラリで何の対策も取られていませんでした。

早速売主さんや施工会社へ改善を求めました。本来設置すべきものが設置されていないのです。瑕疵とか、品確法とかそのようなたぐいの話ではありません。法律的に言えば、不完全履行です。施工会社では、「当時の担当者がいない」「雨水竪管がないのが本当で、図面の方が間違っている」などと抗弁していましたが、そんなのは通用しません。こちらは戦闘民族スパーサイヤ人です。
「兎に角、竣工図書の様に設置してください」です。交渉や、打ち合わせのため支店のある福岡へも何度も足を運びました。
この件に関しての住民説明会や、工事説明会を何度も開催しました。

交渉の結果、管理組合の費用負担一切なしで、素晴らしい雨水竪管が設置されました。
工事監督が付きっきりで丁寧な工事が行われました。
この工事のおかげで今ではどんな豪雨であろうと、エントランスへ雨水が浸水してくることはありません。

大規模修繕工事に関しては、事前に管理会社さんによる劣化診断が実施されていました。
一目見て“こんなにかからないよな”という様な高額なものです。
しかし管理会社さん曰く“高いなりに精度が高く、クラック(ひび割れ)などは、足場をかけた後の実地調査とも差が生じない、2%程度で収まります”というものでした。
通常は10%程度の誤差は生じますが、2%とはえらく強気だなと、ビックリしたことを鮮明に覚えています。
では、“2%超えていたら、値段分だけの精度が確保されていなかったということで、劣化診断費用の返却を求めますよ。”と交渉し、管理会社さんも“それで、結構です”です。

その結果、劣化診断費用は全額管理組合に返却されました。

この北区マンションは、つぶやき主に大規模修繕工事のコンサルタントを依頼したおかげで、今まで15年間ラチのあかなかった屋外階段の雨水竪管工事を無料で設置することができました。さらに、劣化診断費用まで返却してもらえました。
メデタシ、メデタシ、

ところが、これで終わりではなかったのです・・・。