マンション管理士の独り言・・・930

マンション管理士の独り言・・・930

「こんなこと、出来ました」

「こんな事出来ました。」中間編の続きです。台風15号の強風で階段室窓が壊れ飛散し、
飛び散ったガラス片で敷地内に駐車中の車両と隣のマンションの車両とを合わせて13台に被害をもたらした事件です。

理事会ではつぶやき主に本件の解決について被害者への示談交渉を含め全て委任すると決定されましたが、総会で追認を得なければなりません。
台風が襲来してから10日後には第1回の臨時総会を開催しています。
そこでは、まずは報告事項として【台風15号によりガラス窓が破損し、飛び散った破片で車両13台にも損害が発生したこと】
続いて第1号議案【損害を被った車両の補償は管理組合が行わなければならず、補償費は修繕積立金を取り崩して充てること】
第2号議案【本件解決のためにつぶやき主に○○の金額で依頼したこと】
第3号議案【損害補償委員会を設立し、そこに一任させること】
第4号議案【破損したガラス窓復旧について発注先など理事会へ一任すること】を議案化し承認を得ました。

臨時総会までの間についても、被害にあわれた車両所有者へお詫びと、代車が必要な方へは代車の手配、修理が必要な方へは修理工場へ持っていってもらうように頭を下げます。
またもし車両保険に加入されていれば、そちらを利用していただけないかというお願いもします。夜討ち朝駆けで頭を下げて回りました。
補償額については、管理組合の修繕積立金から支出することになるので、なるべく安くお願いします、とこれも低頭、低頭です。

被害者との打ち合わせの最中に、実はこのように階段室のガラスが破損、飛び散ったのは2回目だということが判明しました。竣工図書などを調べて、ガラス厚みが不足している可能性があるとなりましたが、何せ築20年を超えているマンションですから、設計士もゼネコンさんもありません。
管理組合がすべての責任を負い、補償を行わなくてはなりません。
しかし、2度目ということで、2回とも被害にあわれた方からは、「これで2回目だよ。新しくガラスをはめ込むなら今度こそ頑丈なものにしてよ」って釘を刺されます。
2回も被害にあわれた方には、低頭・低頭・さらに低頭です。
また、購入したばかりのレクサス(中古)が被害にあわれた方もいて、スムーズに話が進まないってこともありました。
被害の程度はそれぞれ異なりますから、補償額を打ち合わせ、1件1件異なる書類を作成し、損害補償委員会の了承を得て示談していきます。
臨時総会から10日後にはすべての被害者の方との打ち合わせが終わりました。
この間損害補償委員会は7回開催されています。
損害補償委員会と言っても、つぶやき主からの示談交渉の進捗状況の報告を受け、了承を与えるというのが主な作業です。
並行して破損したガラス窓復旧作業をやらなきゃ、です。
数社から今までより頑丈な仕様の提案を受け、見積もりを取る作業を行いました。
これも総会での承認事項です。
示談交渉や報告書や総会議案書作成なんかで目が回る日々でした。

そして13台すべての示談交渉が終わりました。補償総額は1400万円に上りました。
これをまた臨時総会で承認を得て、やっと、ひと段落、とは行きません。

今度は、保険会社との交渉が待っています。

社の冷蔵庫の中が、クリアアサヒで一杯になりそうです。こんなに飲めないよ