マンション管理士の独り言・・・935

マンション管理士の独り言・・・935

「こんな事できました」

場面は変わって、小倉北区です。
そのマンション管理組合さんは築10年で新築当時からず~とお世話しています。
商業地ですから、一団の大きな空き地があると、容積率一杯のボリューミーな分譲マンションや商業施設を建てることのできるエリアです。
そこに、シルバーマンション建設の話が持ち上がりました。
北九州市は条例で、建てようと思う建築物の高さの約1,5倍の水平距離に住む住民には、予定建築物の説明を実施しなければならないことになっています。
この1,5倍エリアに顧問マンションは該当します。

条例で定められた「説明の実施」は、あくまで説明を実施すればOKで、対象となる近隣住民の承諾は必要ありません。
そりゃそうです。
予定している建築物を建てるには近隣住民の承諾が必要、言い換えれば近隣住民の承諾が得られなければ予定建築物は建てられない、なんていう不安定な状態では、土地を購入しようとする人はいなくなっちゃいます。
「説明の実施」について、チラシを配っただけで終わらせる業者や、チラシ配布の上に1件1件説明して回る、市民センターなどで近隣住民向け説明会を実施するという丁寧な対応を取る業者など様々です。
分譲マンション住民に対しては、説明書配布で終わらせるところがほとんどです。
近隣に建つ建築物のためにまとまる管理組合さんなんてざらにはありません。

日本の建築確認申請は、予定している建築物が建築基準法などが守られているかどうかを確認する作業で、それらが守られていれば必ず確認される(=建築できる)という制度です。
これも言い換えれば、建築基準法などを遵守していれば、必ず「確認を下ろす」ことをしなければなりません。
確認申請を行う際には、前述の住民への説明を行ったという書面を添付することになります。

しかし建築期間中、工事車両の通行や工事に際しての振動やホコリなど近隣住民へ迷惑をお掛けすることになるのは分かり切っていますので、できるだけ近隣住民の要望は聞いておこうとするのが事業主・施工会社の一般的なスタンスです。

顧問マンションにも予定建築物工事のお知らせが各戸に投函されました。
チラシ配布だけで終わらせるつもりの様です。
理事長へ連絡し、“つぶやき主さんにお任せしますよ”という承認をいただき、事業主へマンション住民を対象に説明会の実施を求めました。
つぶやき主は長いこと、顧問マンションで町内会世話人をしているので、顔なじみになっている自治連合会長へも側面支援をお願いしました。
はじめは説明会実施を渋っていた事業主、施工会社も折れて説明会の実施となりました。

説明会へは多くのマンション住民が参加されました。事業主側からも、設計士や現場代理人(監督さん)など10名近くの方が来られています。
工事の概要や工事車両のアクセス、警備員の配置、大型ダンプカーの一日の通行数、生コン打設時のミキサー車の台数、クレームの受付先などの説明がなされました。
住民の皆さんは、何が要望出来て、何が要望出来ないのか、わかりません。
ここから、事業主さんへつぶやき主の“お願い”が始まります。
あくまで、“お願い”です。そして目指すところは「建築協定」です

“お願い”の内容は次回。

暑い日が続きます。この暑い中、自転車通勤です。徳力~蒲生~南小倉駅~清水~到津~荒生田まで約10キロを野球帽を後ろにかぶって必死の表情でペダルを漕いでます。小野田坂道みたいです。

見かけても、石を投げつけないで。