マンション管理士の独り言・・・936

マンション管理士の独り言・・・936

「こんな事、できました」

小倉北区の近接地にシルバーマンションが建築されることになったマンションの続編です。
このような場合に、管理組合ではどのようなことが出来るのか?の参考になるケース・・・かな。

近隣説明会を顧問マンション集会室で開催しました。
事業主・施工会社からの説明の後質疑応答に入りましたが、居住者からは、あまり意見や要望は出されません。
こんな場面に出くわすことはないから、何を聞いていいのか?どんな要望が出せるのか?なんて分からなくて当たり前です。無理ありません。

つぶやき主が要望と意見を出します。
まずは、ダンプカーやコンクリートミキサー車などの大型車両の現場へのアクセスルートの変更です。予定では、顧問マンションの玄関エントランス前をひっきりなしに大型車両が通行するルートになっています。小学生の通学路にもなっています。
他にも現場へのルートはあるのですが、距離も長いし、何よりアクセスが容易です。
工事する側からすれば誰が考えてもこのルートを取ると思いますが、それでは顧問マンションが困ります。
小学生の安全も確保できません。
ルートを変更したうえで、予定していた警備員の数を倍増させることもお願いしました。
コンクリート打設時には1日に300台くらいのミキサー車が通ります。安全の上にも安全確保です。

そして、建築前に顧問マンションの建物調査です。シルバーマンションの建築により顧問マンションの外壁タイルに剥離が発生したり、専有部分にひずみが生じてはいけません。
シルバーマンション免震工法です。建物1階部分を地下6mくらい掘り下げます。
大型重機がはいりますし、大きな振動があることが予想されます。顧問マンションに工事の影響がないとは言いきれません。
シルバーマンション建築前と後とで調査することにより、不具合が発生した時の責任の所在がはっきりします。

更に、(まだ、あるのかよ。って顔されましたが)シルバーマンション内覧会の前に顧問マンション住民への見学会実施です。シルバーマンションから自宅がどのように見えるのかを事前に確認することで、カーテンなどの設えが変わってくるからです。

勿論、工事中のクレームについての対応についても要望しました。同じ居住者から何度も同じ事柄でクレームがあった時は、一旦工事は中止して管理組合と相談することを求めました。これらを満たしたうえで、最終的に工事協定の締結です。

流石に事業主さん施工会社さんともに大手です。最終的には顧問マンションの要望をすべて受け入れてくれました。工事協定も締結出来ました。

日本の場合、建築基準法などに合致していればその建物は建築されます。建築を阻止することは事実上不可能です。それを分かったうえでも、近隣住民として要望できるものはあり、受け入れてもらえるものもあります。
こんな時に順番で回ってきた理事長さんは大変でしょうが、管理組合として無為無策ではいけませんよ。

誰かから伝わったのでしょう。これ以降、近隣にマンションが建つので、なんとかならないか?というご相談があります。毎年4回程度、近隣説明会に参加しています。