マンション管理士の独り言・・・941

マンション管理士の独り言・・・941

「議決権割合」

相変わらず儲からなくて消費税以外はほとんど納税していないつぶやき主です。
消費税払っているって言ったって、あまり物は買わないし、学生時代に作った喪服をまだ着ているし、晩酌だって冷奴あれば十分。しかも飲んでいるのは発泡酒と、絵にかいたような清貧の生活なので、納税額だってたかが知れています。
そんなつぶやき主にも、有難いことに日本というお国は選挙権を1票与えてくれます。
納税額に比例して選挙権が与えられるとすれば、つぶやき主なんて10年でやっと1票程度ではないでしょうか。
“そんなの当たり前、平等じゃん!”という前に考えましょう。
チコちゃんに怒られちゃいますよ。

マンションでは区分建物所有法により、1住戸1議決権(票)でないのが原則です。
購入した住戸の専有面積に比例して議決権が与えられるというのが、大原則です。
つまり50㎡の住戸を購入した人が50議決権ならば100㎡住戸を購入した人には100議決権が与えられるというのが区分所有法の考え方です。
それを標準管理規約では、“面積差があまりない場合は、1住戸1議決権でもいいですよ”としているのです。
実際に総会の際の賛成数を数えるのに、1住戸1議決権ならばスムーズにいきますが、手を挙げた人の議決権がそれぞれ違うとなると、電卓片手に早見表と睨めっこしながら賛成票をカウントしなきゃ、となっちゃいます。

1住戸1議決権とするのも、それなりに合理性のあるやり方です。
しかし標準管理規約でも言っているように「住戸に面積差があまりない場合」は1住戸1議決権でもOKなのです。この「面積差があまりない場合」というのは面積差が1,5倍程度まで、せいぜいいっても2倍までというのが多数説です。

多くのマンションでは、管理費や修繕積立金、さらには修繕積立基金の負担割合は、住戸の面積に比例しています。
前述の50㎡ならば管理費は5000円、100㎡ならば10000円という具合です。
面積差が2倍あれば、当然購入金額もその分高額になり、管理費も修繕積立金も2倍負担している。
負担は2倍させられて、権利は同じく議決権1しか与えられていないのはオカシイという人が現れないとも限りません。

「パークハウス桜坂サンリヤン」「積水ガーデンハウス小倉」は、1住戸1議決権ではありません。
「パークハウス桜坂サンリヤン」では、区分所有法通りに例えば72,51㎡住戸を購入した区分所有者には、全体の7251の議決権が与えられています。(計算しやすいように100倍している)
「積水ガーデンハウス小倉」は、そこまで厳密ではありませんが、数字を上手に丸めています。今までは、「小倉DCタワー」くらいしか目にしていなかったものが、最近では専有面積に比例しての議決権としているところが増えています。

市内マンションでは議決権割合を専有面積比例にしているところはありません。
しかし、「サンパーク守恒テラス」では、1番小さな住戸70,83㎡に対し1番大きな住戸は152,08㎡と2,14倍。
「ザハウス大手町プレミアム」ではそれぞれ69,28㎡と174,68㎡と2,52倍。現在分譲中の「アーティックス青山ヴェラヴィータ」では、74,95㎡に対し140,52㎡と1,87倍です。1,5倍を超えているマンションは、“いっ~ぱ~い”あります。
数字を並べてみただけでも、不公平感は否めません。
そろそろ区分所有法の原点に立ち返ってはいかがでしょう?

つぶやき主が1番いやなのは、管理規約などの不備(?)不手際(?)で将来区分所有者間でトラブルになることです。販売段階から将来のトラブルの種は最大限の知恵を使って未然に防いでほしいものです。