マンション管理士の独り言・・・945

マンション管理士の独り言・・・945

「過半数」

自民党総裁選も終盤です。安倍総理が石破さんを抑えて3選を果たすという情勢のようです。
つぶやき主は自民党員でも何でもありませんし、当然ながら投票権も持っていませんから、“そうか、また安倍さんか・・・”って感じです。
お二人がテレビで討論していました。
その中でお二人の考え方があまりに違っていましたものがありました。
憲法改正の国民投票についての考え方です。
憲法改正は両院のそれぞれ3分の2以上の賛成で発議し、最後は国民投票を実施して、そこで過半数の賛成を得なければなりません。
これについて石破さんが、「過半数というけれど仮に51対49になった場合に、過半数を得ているから憲法改正は成案となった。という考え方を私は取らない。出来れば7割くらいを目指す」と述べました。
これに対して安倍さんは、「国民投票で過半数と決まっているのだから、それが例えわずかな差であっても過半数には違いない。決まっているハードルを上げるべきではない」と述べました。
いい悪いではありませんが、どちらのいう事もごもっともです。

このことはマンション総会では度々目にする光景です。
賛成、反対で2分されるような議案が提出された時がそうです。
予め配布された議案書を見て、委任状を提出したり書面で議決権を行使した組合員がいるので、採決は行わなければならず、承認か不承認かをハッキリさせなきゃならない、というのが原則ですが、多くの反対者の声が上がり、採決するには躊躇します。

委任先は多くの場合議案提出者である理事長です。
理事長はその議案が“管理組合のためにいいことだから承認してね”って立場ですから、理事長に委任=賛成票を投じたとなります。
管理規約改正などの特別決議を除き、ほとんどの議案は総会参加者の過半数で承認となります。
実際の総会参加者の多くが反対であっても、理事長への委任状があるので、採決を行えばほとんどの場合承認となります。
安倍さんの考え方ならば、決めるときは決める、僅差であっても承認は承認だ、となりますが、マンション管理組合でこれを強行すると賛成派と反対派の間でしこりが残っちゃいます。
特に議案が大規模修繕工事に関することだったら、住んでいる方の協力が不可欠なので、多くの反対者がいたり、数は少ないものの強烈な反対者がいたりすれば、修繕工事がうまくいきません。
協力が得られず車両を移動してくれないので足場が組めない、なんていうトラブルはアッチにも、コッチにも、です。

つぶやき主は、石破さんの考え方に近いようです。本来は書面行使者や委任状提出者もあることだし、採決を行うべきでしょうが、“採決せずに理事会で再度審議します”ってすることの方が多いです。

これはこれで賛成者からは、何故採決しなかったの?なんて叱られちゃいます。

賛成者も反対者も、ずっとそのマンションに住み続けます。顔を合わせます。出来るだけいがみ合うことのないよう、気配りが大切で、大変です。

おそらく安倍さんには、理事長は務まりません。