マンション管理士の独り言・・・959

マンション管理士の独り言・・・959

「町内会加入促進」

北九州市での町内会加入率は、69%程度だそうです。
その中でも戸建て居住者に比べ、マンション居住者の加入率は一段と低いそうで、市としてもマンション居住者の町内会加入率を上げようと考えています。
つぶやき主は、マンション専門家として北九州市で唯一登録された専門家となっています。本年初めにかけて、市からのご依頼で町内会長さん向けに「マンション居住者への町内会加入促進マニュアル」を作成しました。
読んでいただければ概ね分かるように工夫していますが、それでも少し説明を加えた方がより丁寧だという事で、各区で町内会長さんを集めての講習会を開催しています。
勿論講師はつぶやき主が務めます。

11月6日(火)八幡東区役所で、11月15日(木)戸畑区役所で、12月10日(月)は門司区役所で開催されます。
年が明けて2月3日(日)には、小倉南区生涯学習センターでの開催も決まっています。
小倉北区や若松区、八幡西区は現在日程調整中です。
いずれも1時間程度、マンションとは何か?から始まり、意思決定の仕方、管理会社との関係などについて分かりやすくお話しします。

この他、個別に「近くに分譲マンションが建つそうだが、町内会加入をどのようにアプローチしたらいいのでしょう」というご相談もあり、区役所へ出向いてご相談に応じています。
都合がつけば、管理会社さんのそのマンションフロントマンにも同席してもらっています。
その折、必ずと言っていいほど町内会長さんから出されるご質問が、“マンション居住者さんに「町内会に入るメリットって何ですか?」って聞かれるけど、上手に返答できない、どのように答えればいいのでしょう?”です。

そもそもメリット、デメリットで考えること自体がナンセンスです。
“商売人じゃないでしょ。損得の話じゃないよ”と突き放してやりたいところですが・・・。
マンションだからぜひ加入しないといけないのです。
近年豪雨や台風などがひっきりなしに襲来します。災害に強い北九州だから大丈夫って、言ってられません。
もう対岸の火事ではありません。
いつ大きな災害の被害に見舞われるか分からない時代です。災害に対する備えが急務です。
マンションは台風や豪雨などの自然災害そのものには耐えることが出来ますが、そのあとに起こるかもしれない、停電にはからっきし弱いのです。
エレベーターは止まります。旧式のエレベーターならば「閉じ込め事故」にもなりかねません。水道だって給水ポンプが停止しますからいくら蛇口をひねっても水は出てきません。
オートロックやインタホンも使えません。機械式駐車場あれば、これもストップしますから車の出し入れだって出来ません。

こんなこと、マンション居住者は考えてもいないと思います。
災害時での対応法や減災の考え方を学んでいるのは、管理組合ではなく町内会です。
災害時に頼りになるのは、町内会です。

前回大地震に見舞われた北海道の話です。
震度7の揺れには耐えられて幸いにして住戸内は大丈夫だった。だけどその後の停電でエレベーターは使えないし、水は出ない。
これでは生活できないと思って避難所に入ったけど、町内会単位で活動しているから、何となく肩身が狭い思いをした、という声がアチコチから聞こえてきました。

お父さん!ただでさえストレスのたまる避難所生活で、その上町内会に入っていないという負い目を家族にさせちゃ、ダメでしょ。
町内会には、入るメリットより、入らないことのデメリットが大きいのです。

お世話している管理組合さんには個別に「防災・減災マニュアル」を作成しご提出しています。興味ある方へはお見せしますよ。メールかお電話を。