マンション管理士の独り言・・・99

「不在区分所有者の管理費増額は妥当」判決について

1月26日朝刊1面大見出しの記事です。
内容は、分譲マンションの区分所有者でありながら、自らは居住していない「不在区分所有者」には、現に居住している「居住区分所有者」より管理費などを上乗せしていいか、が争われた事件で、最高裁は「上乗せは許される」との判断をしたというものです。

背景には、不在区分所有者が増えて、管理組合役員のなり手が少なくなり、組合運営の負担が偏っているという不満の声があります。

判決では、
「居住している区分所有者だけが役員となってマンションの保守管理に努め、不在区分所有者はその利益のみを享受している。管理組合業務や費用は本来、区分所有者全員が平等に負担すべきもの」
とし、15%の上乗せ額を是認しました。
今後もこの15%という数字は、上乗せの際の基準値になると思われます。

誰もが納得のいく市民感覚に沿った判断だと思われます。
しかし、敢えて言わせていただければ、今回の判決は、管理組合役員になることを「負担」として捉え過ぎているのではないでしょうか?
役員になることを「権利」と捉えるとまた異なった判断になったかもしれません。
事実、理事に立候補したのに、何らかの理由で立候補が認められずに、理事になる権利を侵害されたとして訴えられた管理組合もあります。
記憶では管理組合が敗訴しています。

キレイ事過ぎて実情に即してないのでしょうが、管理組合役員になることが、義務!負担が大きい!ばかりがクローズアップされすぎるのも如何なものかと考えちゃいます。

この最高裁判決については、より詳細な事実関係がわかりましたら、ご紹介します。