マンション管理士の独り言…1044

マンション管理士の独り言…1044

「台風15号の爪痕」

9月10日現在、千葉では台風15号の被害でまだ60万戸以上の住戸で停電が続いているようです。
テレビ局が停電しているお宅へ伺って「エアコンが効かない」「冷蔵庫のものが溶け出した」等をレポートしています。
停電されているお宅は誠にお気の毒です。
不謹慎な発言ですが、それでもマンションに比べればまだましです。

もっとも被害が重篤なのはマンションです。
停電している戸建ての方は、水道は活きています。おそらくトイレも使えることでしょう。
しかしマンションの場合は、専有部分の停電は勿論ですが、共用部分の設備も完全にストップしてしまいます。
エレベーターは停止します。非常用バッテリーがついていないエレベーターならば閉じ込め事故も発生します。
非常用バッテリーがついているものであっても、近くの階に着床したら、あとはドアがピシャっと閉まって動作しません。通電するまでただの箱状態です。
大きな病院の様に通電するまでの間を賄うための自家発電機のような能力はありません。
ポンプも停止しますので給水もストップします。水が出ないのです。
北九州の場合、貯水施設が高台にあるので直結増圧給水の場合は3階までくらいなら、チョロチョロって感じで出ますが、それより上階では全く出ません。
受水槽があるマンションならば、受水槽の中の水は使えます。こんな時のために受水槽に蛇口でもつけていれば言うことなしです。
また、機械式駐車場あれば作動しません。手動で作動させることは出来ますが、安全のために専門スタッフでしか取り扱えないようになっています。チェーンゲートも使えません。
この他、オートロックも停止しますし、宅配ボックスも使えなくなっちゃいます。
上階にお住まいの方は、水は出ない、給水車まで水をもらいに行きたいがエレベーターが停まっているので、それも出来ない、仕方ないから避難所に行くか、となってしまいます。
何度もつぶやくように台風などの自然災害そのものには強いのですが、そのあとにくる停電にはカラッキシなのがマンションです。
停電に備えて各自でも管理組合でも日ごろから防災・減災について検討しておくことが必要です。

9月25日につぶやき主が長いことお世話しているマンションで、北九州市危機管理課危機管理室による、「防災への備え」というテーマでセミナーが開催されます。集会室での開催です。警察関係、消防関係に続いて3回目のセミナーです。
北九州市の「出前講座」を利用してつぶやき主が全て段取りしました。
危機管理室ご担当者とは以前からの顔なじみで、マンションにおける「防災・減災マニュアル」を提出したこともあります。
今回も分譲マンションに関しての話も加えていただきます。

お金はかからないし、集会室は有効利用できるし、何より組合員の防災・減災意識が高まります。