マンション管理士の独り言…437

「どっちもどっち?やはり営業マンの説明不足だね」

新築、中古に限らずマンションを購入する際は宅建業法により、取引主任者が重要事項説明を行います。
この重要事項説明と言うのはマンションに限らず不動産を購入する際に、業者として購入者に説明しなければならないと法に明記された事柄を説明するものです。
言い換えれば法に規定されていることのみを説明すればそれで足り、それ以外のものは説明しなければしなくても構わない、というものです。

マンションというのは購入すればそれで終わりというものではなく、そこから長い間のマンションライフが始まることとなるわけです。
その長いマンションライフについて取り決められているのが管理規約や使用細則です。
「共有は紛争の母」なんて言います。
1つのものを2人以上の多人数で所有しているとその使い方や順番、頻度、費用の捻出方法などで揉めちゃうわけです。
マンションはずばり共有関係そのものですから、共用部分の保全方法や生活ルールをキチンと決めておくことが必要です。
そうでないと、総会で大声で自分の意見を通そうとする輩の思い通りになっちゃいます。

そのマンションライフのルールが管理規約・使用細則です。
マンションライフにとってこんなに大切な規約や細則ですが、残念なことにこれらの説明は宅建業法では必須とされていません。
多くの営業マンが契約時に「これ読んどいて下さいね」といって手渡されるという扱いをうけているのが管理規約・使用細則です。
もっとも規約や細則をキチンと説明できる営業マンはほとんどいないというのが現状です。

また、購入者もパンフレットやモデルルームに“素敵”ってボッーとなって、規約や細則にはほとんど目を通していないという有様です。
規約や細則をよく読んでいないし、その上営業マンからろくすっぽ説明を受けてないまま入居することになります。その結果、入居早々“やれバルコニーに布団干しちゃダメなのに”“自転車はポーチに置いちゃダメなのに”“ピアノは夜9時以降は弾いちゃダメなのに”「規約違反だ」「細則違反だ」なんてギスギスしちゃいます。

折角購入したマンションです。
快適に住みたいのですが、規約や細則を分かっていない違反者によってストレス溜まっちゃいます。
違反者も知っていればしないのでしょうが、事前に読んでいないし、また説明も受けていません。
管理人さんあたりに指摘されて、「そうとは知らなかった。知っていればやらなかった」という人がほとんどです。
入居前に規約や細則を読んでない購入者とこれらを十分に説明しなかった営業マン。
どっちもどっちですが、やはりお金をもらってマンションを売っている営業マンに非が大きいような気がします。
マンションと言う器を売るだけでなく、快適なマンションライフを営むことを提供するという姿勢がほしいものです。

購入者も営業マンももっと勉強しなきゃ、です。