マンション管理士の独り言…460

「あっぱれベイトリア門司マリーズ・・・水:セメント比」

建築の基礎知識です。

水+セメント=セメントペースト(職人さんはノロともいう)
水+セメント+砂=モルタル
水+セメント+砂+骨材(通常は砂利)=コンクリート

この水とセメントの比率を水セメント比と言います。
例えば50%ならば、水が50%でセメントも50%となります。
水セメント比55%ならば、水が55%でセメントが45%ということです。
当然ですが、コンクリート強度はセメントの量が多い方が強いに決まっていますから、水セメント比が50%の方が55%よりもセメントの量が多い分(水の比率が少ない分ともいう)強度が増します。

しかし反対に仕事のしやすさは、水が多い方がやり易くなります。
型枠を組んだ中に生コン車で運ばれてきたコンクリートを流し込む作業だって水を多く含んでいる方が流し込みやすくなります。
以前は生コン車からコンクリートを流し込む際にホースで大量の水を浴びせていたりしましたが、(これをジャブコンという)現在ではこんな事は見られなくなりました。

これだけではありません。
水セメント比が低い方が(=つまりセメントの比率が高く、強い)コンクリートの中性化を防ぐ効果も高いようです。
鉄筋コンクリート造の場合、コンクリートの中に鉄筋が埋め込まれていますが、鉄ですから空気に触れると酸化して錆びちゃいます。
これをアルカリ質のコンクリートで被覆して鉄の酸化を防ぎますが、水セメント比の低いコンクリートの方がセメントが多い分アルカリ質が当然強いわけで、つまり鉄筋の酸化を防ぐのにも役立っているという事です。

前置きが長くなっちゃいましたが、北九州の分譲マンションでは多くの売主さんが水セメント比は55%です。
50%のところが最近では、「リビオ桃園パークフィールズ」と「ザハウス大手町エンブレム」の2物件だけです。
50%でも素晴らしいと思っていましたが、「ベイトリア門司マリーズ」は45%です。
これは市内の多くの新築マンションと比べて10%もセメントの量が多いことを示します。職人さんは型枠にコンクリートを流し込む作業は大変だったでしょうが、とても強度のある建物になっているはずです。
9月に実施される内覧会が楽しみです。

構造躯体は水セメント比も低く、強度のあるコンクリートで出来上がっていますから、あとは管理規約を含む管理関係ですが・・・・。
ウ~ン。