マンション管理士の独り言…526

「手直し方法」

2月終わりから3月にかけて3物件6組の内覧会に同行しました。
物件は、リヴィエール中央町クリエ、サンパーク黒崎中央イクシア、ザハウス大手町エンブレムです。
特に先週の日曜は日本ハウズイングさんの理事長セミナーで講師を務めましたから、他のメンバーに同行をお願いすることになりました。
他のメンバーと言っても全員有資格者のベテランです。
ご依頼主からは「素晴らしかった。この内容でこの金額では安いですよ」というお褒めの言葉もいただきました。

何点か結構大掛かりな補修工事になることが予想される指摘項目がありました。
「どのように補修するのかをお客様へ伝えて、その補修でいいという承諾をもらってから工事してね」と売主さんへ依頼しますが、この件でお客様から連絡があります。
「電話がかかってきたけど、このように補修しますと言ってますが、それでいいのでしょうか?」「より詳しい説明をつぶやき主さんから聞いてもらえませんか?」。

売主の担当者さんへご連絡すると「電話じゃ行き違いがあったらいけませんので、現地でご説明します」ということで、再度現地へ行くことになります。
また大勢の現場の職人さんに囲まれるな、って予感です。
案の定、営業担当者や現場監督、大工さん、さらには内装の職人さんなんかの大勢の工事の方に囲まれて「原因はどうの、このような補修をします」なんて事を伝えられます。

初めは、「お前が余計な指摘をしたのか?」みたいな形相で言い寄ってきますが、こちらも素人ではありませんし、現場の方のいう事もわかります。
人間が造るハンドメイドだし、工芸品を目指すものでもありませんから、過度な注文をするつもりはありません。

悪くて必ず補修をしてもらわなきゃならない箇所と、悪いけれども手直しするほどでない許容範囲な所とを区別してお話しします。
そして、提案された手直しの方法で良いのでは、と判断するとその場からお客様へ電話して、説明を行います。
最終的にその手直し方法でいいのか悪いのかを決めるのはお客様だからです。

このような場合お客様は、「つぶやき主さんが良いと思われるなら、その手直し方法で良いですよ」となります。
売主さんもそのことを知ってか、「つぶやき主さんからお客様へ電話してよ」ってなります。

職人さんにとっては、手戻り工事になり面白くない気持ちはよくわかりますので、「よろしくお願いします」の一言は欠かせません。
お客様にも気持ちよく入居していただきたいので、あまり過度な要求はせず、職人さんに気持ち良く、しっかりした仕事をしてもらえるように心掛けています。
始めはつぶやき主を「クレーマー」のように見ていたものが、最後には、「あいつのいう事当然ジャン。少し手が粗かったかな」ってなってくれているような気がします。

このような手配や気配りを行っても別途料金はいただけません。
お客様からに対しては、確認会でもないのに無用なお金はいただけませんし、ましてや売主さんからいただくと“検査する方”“検査される方”の両方からもらうという変な話になっちゃいます。

結果、無償で半日つぶれちゃうとなります。

レ、ミゼラブル・・・。