マンション管理士の独り言…542

「管理会社との違い」

5月に総会が開催される管理組合さんで、「マンション管理士を採用する件」という議案が上程されます。
何度か理事会へ参加し、つぶやき主のマンション管理士としての実力と知見が認められたようで、理事会さんでは是非顧問として採用したいという意見です。
このマンションは70戸程度の中規模マンションで、役員さんは順番制です。
任期は1年ですから、少し管理組合活動が分かりかけたころに任期終了となり、さらに役員総入れ替えですから継続性を確保するのも困難です。
管理会社さんに委託しているのですが“少し心もとない”ってことでつぶやき主に声がかかりました。

役員さんはマンション管理士の採用に大乗り気なのですが、総会で過半数の賛成を得なければなりません。
総会には“マンション管理士って何?ゼ~ンゼン知らない”って組合員さんも沢山参加します。そんな組合員さんへもマンション管理士の役割や採用することのメリットを分かってもらわなくちゃいけません。
そこでつぶやき主に宿題が出されました。
“管理会社との違いを述べよ”です。

そもそもマンション管理士という制度が出来たのが平成13年です。
「マンション管理の適正化の推進に関する法律」(通称:適正化法)によって創設されました。
マンションの管理を適正に行っていくためには、管理組合の運営・建物の維持修繕に関する専門的知識が必要になってきます。
しかし、管理組合を構成する組合員さんにはこれらの専門的知識を持っていない場合が多いので、管理組合に対して適正なアドバイスを行う専門家が必要と言う認識から創設されました。
また、管理会社による管理組合の財産(修繕積立金)の横領と言う事件が頻繁に発生していたので、管理会社に対する“お目付け役”という立場も期待されていました。
適正化法でもマンション管理士は、管理組合の立場に立って助言指導を行う事が義務付けられています。

これに対して管理会社、は管理組合から管理業務を受託して主として共用部分の維持保全、管理を行います。
更に組合員さんからの管理費や修繕積立金を預かる=管理組合の財産の管理を行いますので、法律によって国交省への管理業者登録、管理業務主任者設置の義務、重要事項説明の義務、基準資産額300万円以上など厳しい規制が掛けられています。
管理会社は基本的には、営利企業ですので、自社の利益を管理組合のそれよりも追求することもあり得るという考えに立脚しています。

実際には、1年で役員総入れ替えになる管理組合さんでは知識も経験・情報のタップリある管理会社さんに太刀打ちできず、無駄なお金を使わされている管理組合さんも沢山目にしています。
また管理会社さんも自社のやり方が正しいものとやっているのがフツーで、他社のやり方は分からず、多くの管理組合さんや管理会社さんのやり方を知っているつぶやき主から見れば、“そりゃおかしいんじゃないの”って事が沢山あります。

つぶやいていて何かインパクトに欠けるって感じです。
「管理会社にもマンション管理士はいるし、分からないことあればその人に相談すればいいじゃん。管理会社に委託してその上マンション管理士を雇う必要あるの?その分を修繕積立金に回したら」「管理会社がしっかり業務を行うように理事会がしっかりすれば、マンション管理士を雇う必要ないじゃない」っていう声にかき消されちゃうんじゃないかと・・・不安。