マンション管理士の独り言…558

「マンション購入で契約前にもらわなきゃならないもの」

新築マンションを購入する前には、宅建業法により宅建主任者から重要事項説明を受けなければなりません。
説明を聞いたのちに売買契約締結です。
間違ってもこの順序が逆さまになってはいけません。
そしてマンション購入に際しての重要事項説明時には管理規約や使用細則、長期修繕計画を添付するのが通例です。
入居後のマンションライフのバイブルとなるものですから、契約締結前に十分に検討して購入するのが“当たり前”です。
この辺りの購入者の“当たり前”の心情を理解して重要事項説明の1週間前くらいに管理規約などを手渡してくれる売主さんがほとんどです。

最近は新築マンション購入に際して、つぶやき主にこれら重要書類の検証をお金を払ってまでご依頼してくる方が増えてきました。いい傾向です。
そしてつぶやき主が10枚程度のレポートを添えて1時間半くらいでそれら重要書類の説明を行います。
その物件について良いことも悪いことも全てご説明します。
それを聞かれて最終的にその物件を購入するかどうかを判断されます。
契約する前に良いところ、悪いところを十分理解されて購入されますので、購入後に「こんなものと事前に分かっていたら購入しなかったのに」なんて後悔することがありません。大人の買い方です。大したお金じゃありません。15,000円程度です。

そのためには購入前に管理規約や使用細則、長期修繕計画などを営業マンからもらっていただかなくてはなりません。
多くの売主さんが購入予定者から「つぶやき主さんに管理規約などを契約前に検証してもらいたいから、これらの書類をちょうだい」って言われて、「ハイ、どうぞ」って素直に提出してくれます。
オーストラリアなんて契約を交わす前に、契約書に書いていることの一言一句を弁護士に検証させるのが一般的です。
契約前にマンションライフの基礎となる管理規約の内容を確認しておくなんて“当たり前”です。
それが購入者にとって“当たり前”の行為だとわかっているから売主さんも素直に提出してくれるのです。

ところが、事前にこれら書類を提出してくれない売主さんがいるから驚きです。
つぶやき主へのご依頼者が契約前にこれら書類の提出をお願いすると「管理規約などは重要説明時にお渡しします。事前にはお渡ししません」の一点張りです。
重要事項説明時に見せられても一般の購入者が管理規約の内容なんて理解できるはずもありません。さらに営業マンだって管理規約の内容なんてほとんどわかっていません。
こんな購入者の“当たり前”の心理、要求をわかっていないのが超大手のデベロッパ-だから更に驚きです。
「つぶやき主に検証されるのがよっぽど都合悪いの」なんて勘ぐってしまいます。

長期修繕計画を重要説明時には出さずに引き渡し寸前に提出するような売主さんもまだ見かけます。
重要事項説明時にしか管理規約を提出しない売主や、引き渡し直前にしか長期修繕計画を出さない売主は信用しちゃいけませんよ。

ただ、それら大手の売主さんの方が、社会的にもつぶやき主より信用度が高いというのがくやしい・・・、

「エースマンション?そんな聞いたこともないような小さな会社の言う事なんて信用しちゃダメですよ」

ですが仕方なかんべ。
ごまめの歯ぎしりでした。