マンション管理士の独り言…692

「大規模修繕工事が終わってからも大変」

5月の連休明けから取り掛かった大規模修繕工事が9月半ばで無事事故もなく終わりました。本当は盆前の8月10日ごろに竣工予定だったのですが、今年は台風の当たり年で3度も遭遇しちゃって工事期間が大幅に伸びちゃいました。
ちなみに台風が来るたびに現場では足場が倒れないようにネットを外して風の通りをよくします。
そして去った後はまた付け直すという作業を台風が来るたびに行います。この費用が1回あたり大体10万円かかります。
工事を請け負った建設会社さんも見積もりには1回分くらいは金額算入していますが、3回分となると全部泣いてもらうわけにも行きませんので、管理組合さんの負担が増えちゃいます。

9月半ばに竣工し、1か月点検も終え、10月終わりには工事竣工説明会を開催しました。工事期間中居住者の皆さんへはバルコニーに出られなかったり、洗濯物が干せなかったり、遠くの代替駐車場へ停めてもらったりと、随分不自由をお掛けし、またご協力もいただいたので、キチンとお礼をしなきゃです。
また、今後のアフターサービスについて受け付け方法などもお知らせしなきゃです。

竣工説明会で仕事が全部完了、ほっと一息、かといいますと、そうではありません。
次回15年後の第2回目の大規模修繕工事に向けての長期修繕計画の策定です。
また今回の大規模修繕工事で修繕積立金を使い切ってしまいましたので、積立金の値上げも必須です。
第1回目の大規模修繕工事では、新築購入時に修繕積立基金を一住戸30~40万円前納していますので、工事費用は一時金なしに賄えるのですが、二回目ではそうはいきません。
今までが月額㎡当たり30円程度だったので、これを90円近くまで増額しなきゃいけません。積立金がおおよそ3倍の負担増となります。
それを1度にど~んと上げるのか、段階的に上げるのかで毎週のように理事会を開催して検討しています。

さらに、つぶやき主さんがいる間に“これもやってもらおう、あれもやってもらおう”と、管理委託契約の見直しや管理規約改正の作業にもとりかかっています。
積立金の増額を組合員へ求めるなら、まずは管理内容を見直し余分と思われるものをそぎ落とさなきゃ上手く運びません。
大規模修繕工事が終了するのは、工事が竣工した時点ではなくて、次の大規模修繕工事を見据え、長期修繕計画を策定しなおし、修繕積立金の増額を総会で承認を得ることまで、となります。

ここまでの作業を終えて理事会や修繕委員の業務は終了です。
分譲マンションの大規模修繕工事は、信頼できる建設会社さんに一貫してお願いする責任施工方式と設計事務所に設計監理を依頼する設計監理方式と2種類あると言われていますが、間違いです。そのどちらでも不足です。
設計監理+合意形成が必要です。
つまりは1級建築士とマンション管理士とのコラボが圧倒的に1番です。

また営業かよって。

11月からは若松の管理組合さんの大規模修繕工事のコンサルが始まりました。
来春1月からの着工予定です。今から見積もり開封、プレゼンテーション、臨時総会での工事業者の承認など忙しくなります。
ガンバンベ~ です。