マンション管理士の独り言…718

『内覧会同行』

2年ほど前に福岡警固でマンション内覧会のご下命をいただいた方ですが、今度東区で医院を開業することになったので内覧会立会いをしてほしいとのご依頼です。
その医院は、築10年くらいの4階建てのビルで、その3階フロアー全部を賃貸し、内装工事をやりかえ医院として開業するものです。
2年前の内覧会同行でエラク気に入っていただいたようで、是非同行してほしいとのご依頼です。リピーターなんてあまりないと思っていたので、少々ビックリしました。

有難いお話ですが、賃貸物件の内装のみの内覧会で、しかも医院なんてやったことないし、正直なところ気が進みません。
いただいたお金以上の仕事が出来る自信がありません。
パートナーの1級建築士にも相談しましたが、「どこをどう検査するんですか?しかも設計監理の建築士さんがいるし、見ようによればその建築士さんの検査を信用していないようで、建築士さんとの関係が悪くなっちゃいますよ」とやはり乗り気ではありません。

つぶやき主の内覧会同行は、単に施工精度の確認だけでなく、管理規約はじめ長期修繕計画についての検証や、今後のマンションライフのアドバイスとがセットです。
今回ご依頼いただいたお客様もその辺りも含んで満足していただいたはずです。
管理規約などの検証が不要ならば、別につぶやき主の内覧会同行でなくてもと考え、何度かお断りしました。
それでもどうしてもという強いご要請なので、お請けすることとしました。

1月に真っ赤な社名入りのブルゾンを作りましたので、パートナーの1級建築士さんとそれを着込み内覧会同行というより竣工検査を行ってきました。
“武田の赤揃え”、もしくは“ちょっとしまらないゴーストバスターズ”のような様相です。
たっぷり2時間半かけて検査させてもらいました。サッシュなどは検査の対象外でしたが、主として建具、内装の施工精度を検査させてもらいました。

マンションの内覧会同行としてはじめたものが、新築マンションの内覧会は当然ですが、1戸建てや医院の内装工事のこれは内覧会同行というより竣工検査立会いまでお声がかかるようになりました。

分譲マンションの新築後2年点検や、大規模修繕工事を見据えての建物劣化診断、屋上防水劣化診断、その他賃貸マンションオーナーからの劣化診断もお請けしました。

そのせいか、コンクリートのビルがあれば外壁のクラックや爆裂、塗装のハゲばかりが目につき、モノレールの支柱を見ればクラックの幅や長さを目で追い、深度まで推測するようになりました。
クラックや爆裂を発見すると、ニヤニヤする癖がついたようです。そんな建物に出くわすと屋上へ登りたい衝動に駆られます。
クラックフェチです。

クラック写真集があれば購入して毎晩枕の下に入れて寝そうです。