マンション管理士の独り言…754

「管理会社を知ろう」

この数年のうちに分譲されたマンションは全て委託管理です。
管理組合が管理会社と管理委託契約を締結して管理を任せている形態です。
今や日本全国の92%が委託管理だというデータもあります。

管理会社には、業務を行おうとするときは国交省に登録しなきゃなんない、純資産が300万円以上必要、収支報告は月に一度書面によって管理組合へ提出しなきゃいけない、管理受託するときは重要事項説明を行わなければならない、等マンション適正化法によって、いろんな規制があり、それを順守しなければなりません。

業務の内容は管理委託契約によって定められており、それ以外のことは管理組合さんから要求あっても断ることが出来ます。
例えば、管理費などの滞納者に対する督促では、電話や書面で6か月の間督促作業を行う、と規定されているのに、「夜討ち朝駆けで面談し回収してこい、回収できなければ管理委託料から差し引く」なんていうことは出来ませんし、管理会社さんも管理委託契約から外れる無理難題な要請に対しては断ることが出来ます。
役員に就任すれば、管理規約は勿論ですが、この管理委託契約の内容も確認しなくてはなりません。
管理委託契約を読まず、契約外のことを強制するゴリ押し役員さんもちょくちょく見かけます。

管理会社さんのそのマンションの担当者をフロントマンと呼びます。
1人のフロントマンで約17管理組合を担当しているっていうのが相場です。
平均在職年数は以前よりかなり伸びた感じがありますが、それでも5~6年くらいじゃないでしょうか?
もっとも、A社を辞めたフロントマンが市内B社に移り、B社にいたフロントマンがC社に入ってるなんていうのはよく目にしてきました。ローテーションしているようです。
1人のフロントマンで17管理組合を担当し、平均在職年数が6年くらいなので、一つの管理組合をずっと長く担当するなんて言うのはありません。
2~3年に1度の割合でフロントマンが変更されるっていうのが業界の常識だと感じています。

管理委託契約に含まれるものとして、管理規約の改正の提案なんていうのもありますが、自ら進んで規約改正を提案してくるフロントマンにはめったにお目にかかりません。規約改正を提案しても管理委託料が値上げされるわけでもなく、ましてや特別報酬が得られるわけでもない。
反対に提案すれば、いろんな改正案を提示しなきゃなんないし、アンケートや説明会の実施、最終的には臨時総会で4分の3以上の賛成者を集めなきゃ、です。
手間暇ばかりかかって、お金には全くなりません。
そんな事より一つでも改修工事を取ってきて会社の売り上げに貢献した方が社内評価も上がるってものです。

理事会開催だってそうです。年に4回開催しようが、毎月1回、計12回開催しようが管理委託料に変動はありません。それなら、少なく開催する方がいいに決まっています。
毎月開催して、その都度理事さんに嫌味言われてうっとおしい気持ちになるのなんて誰だって嫌です。

つぶやき主が顧問としてお世話している管理組合さんはどこも1か月に1度の理事会開催です。総会前には議案書作成で月に2~3度の開催というのも珍しくありません。

管理を適正化させたい管理組合さんはつぶやき主の世界へようこそ、おいでなさい。