マンション管理士の独り言…529

「ゴールデンウィーク」

世間様には待ち遠しいゴールデンウィークなのでしょうが、マンション管理士にとってはありがた迷惑なものでもあります。
多くの管理組合の通常総会がこの時期に重なっちゃうからです。
3月末に年度を〆め、その2か月後の5月末に総会を開催する管理組合さんが沢山あります。管理会社さんの方でも少しでも総会開催時期を分散させようとして年度〆を他の月にもってきたり、開催時期を年度〆から3か月後にしたりと工夫しています。
それでもやっぱり5月末に総会開催が集中しちゃいます。

“5月末ならばゴールデンウィークもとうの昔に終わっているから関係ないじゃん”と思われるかもしれませんが、実はおおありなのです。
多くの管理組合では総会議案書の配布時期を総会開催の2週間前までとしていますから、仮に5月の最終日曜である25日に総会を開催しようとする場合には5月10日までに議案書配布となります。
5月10日までに議案書配布となれば、そのコピーや製本のために配布2日前には成案していなければなりません。
成案させるためには、理事会を開催して役員さんに議案の最終確認をしてもらわなきゃなんないのです。
この理事会開催日がゴールデンウィーク前後となり役員さんの日程調整に手間取ります

議案の最終確認をするためには監事の監査報告も仕上げておかなけりゃなりませんから、当然ですが出来上がった決算書が必要です。
仮にゴールデンウィーク前に議案書最終確認のための理事会を開催するならば3月末に〆て4月のゴールデンウィーク前までの4月20日ころまでには決算書の作成も終え、監事さんの監査を終えておかなければならないということになります。
結構タイトなスケジュールです。

また、役員さんのなかには“3月の年度〆になったら、少しでも早く役員さんの任務を終えて身軽になりたいから4月中に総会開催してよ”なんて「わがまま」言う方がいたりします。こんな方って結構多いです。
このほか、管理規約で「3月の年度〆から1カ月以内に定期総会を開催する」としている管理組合さんだってあります。
事実、区分所有法では総会は年度〆から1カ月以内と規定されています。
こんな時は“ゴールデンウィーク期間中では総会に参加する方も少なくなりそうなので、その前に開催しよう”となっちゃいます。

今年の場合ゴールデンウィーク前の最後の日曜日は20日です。
仮にこの日を総会開催日と設定したらスケジュールは以下のようになります。
20日の2週間前までに議案書配布ならば5日がその日となっちゃいます。
3月〆て、たった5日間で決算書類を整え、監査を行い、最終確認の理事会を開催し、そこで承認を得た議案書を組合員人数分コピーし製本して、全員に配布と言う作業を行わなければならない、となります。
恨めしいゴールデンウィークです。

決して、お金がなくどこへも行く所なくて、ゴールデンウィークを謳歌している人をウラヤマシイと思って言ってるのではありません。

また今年もお金がかからず、腹の足しになる「潮干狩り」に行きます。