マンション管理士の独り言…532

「いろいろと変化する管理規約」

時とともに変わるのか?場所によって変わるのか?
同じデベロッパーさん+同じ管理会社さんの取り合わせの管理規約でもそれまでとは異なったものが出てきます。
それが管理組合にとっていい方向に変わるのならば、いいのですが、そうではない方向に変わっていくものもあるので厄介です。

例えば、西鉄さんが分譲するサンリヤンシリーズ。
つぶやき主はこの売主さんの管理規約はとても入居者思いの優れものだと思っています。担当者に聞けば「バスや電車、スーパーなど本業が消費者に一番身近なところにある企業なので、顧客第一でなきゃいけません。マンション販売などで消費者にそっぽを向かれたら、本業への影響大ですから」と言っていました。なるほどです。
この西鉄さんの管理規約に最近ちょっとした変化が感じられます。
駐車場の扱いです。
ブライトサンリヤン地行、やウェリスサンリヤン薬院などに代表されるように、今までは、所有する専有部分を第3者へ譲渡(つまり売却)するときは、それまで使っていた駐車区画は一旦管理組合へ返却し、その後管理組合で利用者を抽選などで決定する、と言う方法をとっていました。
ところが最近のサンリヤンでは、専有部分を第3者へ譲渡する際には、その第3者へ駐車区画を引継ぎ出来るとなっています。
何故変わったのでしょう?
これは、国交省の方針に逆行しています。
おそらく、次の方へそのまま引継ぎ出来るとした方が、抽選会などややこしいことせずに済むし管理会社さんは楽チンだからかなって思っています。

つぶやき主の独り言を眉をひそめながら聞いている方なら、このように専有部分を譲渡した時に、次の方に引継ぎ出来るのがいいのか、或いは引継ぎ出来ずに一旦管理組合へ返却するのがいいのか、どちらがいいのかわかりますよね。

引継ぎ出来ずに一旦管理組合に返却するのがいい、ということはお分かりですよね。

もう一度おさらいです。
仮に新築分譲当初は、軽区画で良いと思ってマンションを購入した人であっても、やがてお子さんも大きくなってワゴン車に乗り換えたいと思う時が来るかもしれません。
そして、管理組合に対して“軽区画から乗用車区画へ変更させてよ”って希望を出していたとします。
そのうち乗用車区画を使用している方が住戸を売却するという情報が入って来ました。
「やがて乗用車区画へ移動できるかな」って密かに期待していました。
ところがそのマンションでは専有部分を譲渡するときにはそれまで使用していた駐車区画を譲受人が引継ぐことが出来るとされていましたので、売れたと同時に新しい所有者がちゃっかりとその乗用車区画を使用することとなりました。
くだんの方は、「自分は前々から乗用車区画へ移動させてって管理組合へ申し込んでいたのに、あんな新参者に乗用車区画を使わせてるじゃん、もうこんなあてに出来ない管理組合に何て誰が参加するものか!」って管理組合活動に批判的な人が一人増えちゃうってことになります。
なかやしきさんのマンションも同じですよ。

入居後は後々トラブルにならないように、管理規約を見直ししなきゃ、ですよ。