マンション管理士の独り言…610

「ホントに必要?」

分譲マンションには、いろんな設備やサービスが付いています。
最低でも「これだけは必要」って設備と、「あってもなくてもイイや」ってもの、「こんなの必要?」ってものもあります。

共用部分に目を向けると、「これだけは絶対必要」なものの代表格がエレベーター設備です。でもメンテナンスにPOG契約で月額30000~40000円、フルメンテナンスならば55000~70000円くらいかかりますので、あまり台数が多いとその分管理費に跳ね返ってきます。

「あってもなくてもイイや」、ってものでは、子供の遊び場でしょうか。
入居当初は小さいお子さんが遊んでいる風景も見かけますが、段々大きくなって、誰も使っていない、不要になったから撤去して駐車区画を増やそうとしても特別決議になるからなかなか合意が得られない、ってことも良くあります。

「こんなの必要?」ってものの代表格がプールや岩盤浴、風車発電なんてものでしょうか。これもメンテナンス費用が必要ですし仮に撤去しようとするとお金もそうですが、特別決議を経なければなりませんから、大変な労力が必要です。
売主さんは、“プール付きのマンション”“ゆったりくつろげる岩盤浴”なんていうのがキャッチフレーズになるのでしょうが、維持管理を行う管理組合は結構大変です。
つぶやき主的には“来客用駐車場もこの部類かな”です。
中途半端な使用ルールだとトラブルになります。

サービスでは、“防犯セキュリティ”も「絶対必要」「あってもなくてもイイ」「こんなの必要?」のどれに分類されるのか評価が分かれるところです。
ただし、これだけは間違いなく言えるのが、売主さんにとってそれが売りになるってことです。
ですけど、よ~く考えると、防犯設備がついていることで分譲価格はその分高くなっているし、毎月の防犯サービスの費用は管理費から支出されているのです。
要するにぜ~んぶ、購入者のお金です。

専有部分では、“浄水器”や“ディスポーザー”なんていうのが評価が分かれるところでしょう。売主さんには売りの一つになるのでしょうが、その設備の設置費用やメンテナンス費用はつまるところ購入者負担です。
浄水器のカートリッジ取り替え費用は戸当たり年額20000円くらいかかりますし、ディスポーザーの浄化槽清掃費用もバカになりません。

考えてみればおかしな話です。購入者は自分で希望したわけでもないのに設置費用もメンテナンス費用も全部負担し、それを売主さんは売り物の一つにして販売促進につなげているのです。
本当に必要な設備なのかをよ~く考えましょう。

反対に管理組合活動を行っていくためにつぶやき主が絶対に必要と感じているものは、「集会室」です。
集会室がないと理事会開催の場所を確保するのがとても大変で、近くの市民センターなどの空き状況を優先して日程を決めなければならず、理事の皆さんの日程調整が大変です。最近のマンションでは集会室を作らず、その代りにエントランスを広めに作ってそこに椅子を並べて会合を持つタイプが増えてきましたが、この場合には空調を考えてないと、寒くてたまりません。
吹き抜けのある広々としたエントランスは見てくれはいいのですが、エアコンもないなんて言うと寒くて凍えちゃいます。

何十年も住むということを本当にわかってんの、って感じ。