マンション管理士の独り言…746

「共用部2年点検」

宅建業法上、マンションなどは引き渡し後2年間は売り主は担保責任を負います。
引き渡し時には売り主も購入者も完全なものとして引き渡しが行われたのですが、住んでみて不具合が発見されるというというのはよくあることです。
住んでいる人にしか分からないため、多くのマンションでは引き渡し後2年点検を行います。
入居者へアンケートを実施し、そのうち不具合があるよというお宅に対し、手直し工事を行います。これは専有部についての手続きです。

共用部分については、管理会社が頭となって、売り主と施工会社とで検査します。
売り主と施工会社は来ずに、管理会社だけで検査することもあります。
ですが、多くの場合、管理会社は売り主の子会社か、或いは関連会社です。
売り主の負担になる不具合(瑕疵)を積極的に指摘するなんてことはないようです。
売り主と全く資本関係のない管理会社でも、管理を発注してくれた売り主の不利益になることはあまり行いません。
「今後も新築マンションを開発したときは管理をお願いね」・・・です。

しかし、最近はそんな馴れ合いの検査じゃ組合員の理解が得られないようです。
どっかの都知事じゃないですけど、「お金がかかっても信頼おける第3者へ共用部2年点検をお願いしよう」って管理組合さんが増えています。
また管理会社も「甘い目で2年点検を行った」「指摘項目がいつまで経っても治らないじゃないか」って組合員からお叱りを受けるので、第3者へ点検を依頼することを管理組合にお勧めするところが増えてきています。

管理会社はいろんな第3者を探すようです。売り主や施工会社の意向でなるべく、つぶやき主には依頼したくないようです。
それでも、組合員の推薦でエースマンションコンサルタントに依頼する、って管理組合さんが増えてきています。管理会社さんからの連絡で、「つぶやき主さんとこで共用部2年点検をお願いできませんか?」です。
何故つぶやき主に依頼したくないのかって云うと、純粋な第3者であることは勿論、検査して報告書を管理組合に提出してそれで“ハイおしまい”、ではなく、指摘項目を管理会社、売り主、施工会社立ち合いで確認し、補修の優先順位をつけ、場合によれば補修方法まで指示するからです。
また、ちょっと料金はかかりますが、補修工事の現場管理だって行います。

指摘した項目を管理組合さんへ提出しただけで終わっちゃうと、管理会社さんがいくらお尻を叩いても補修工事をなかなか実施しないという売り主や施工会社が多いことを分かっているからです。

いくらお尻を叩いてもいつまで経っても補修工事を実施してくれないと、管理会社さんにお叱りの言葉が跳ね返ってきます。「管理会社何をやってんだ。早く補修工事させろよ!」です。

子会社や関連会社である管理会社さんが補修工事の催促をするのと、管理組合からの委任を受けた第3者であるつぶやき主とが催促するのでは、どっちが効き目があるのか?
よ~く考えてみよう。

そんなこんなで共用部2年点検のご依頼が増えています。