マンション管理士の独り言・・・1037

マンション管理士の独り言・・・1037

「窓ふき」

前回に続いて、もう少しグランドメゾン ガーデンシティ小倉に絡めて呟きます。
外から見て分かるように、グランドメゾン ガーデンシティ小倉は内側から掃除のできないFIX窓が多くの部屋に設備されています。
内側からは掃除が出来ないため、年に4回の定期清掃時に管理組合で拭き掃除をすることになっています。窓の面積に応じて各戸の負担割合が異なっています。
そして費用全てをFIX窓がある住戸からの負担金で賄うのではなく、ちょっとだけを管理組合で負担することとなっています。
各戸の負担額、管理組合の負担割合、年に4回の実施、などが管理委託料の中で予め予算計上されています。
このようになっていると後々管理組合で揉めません。

地場N社の黒崎の物件です。
角住戸には、内側から掃除できないFIX窓が設置されています。年に4回の定期清掃には、このFIX窓の清掃が入っていませんでした。
内覧会時に、この点をつぶやき主がN社担当者へ聞くと、“その住戸の方で磁石で窓を挟み込むようにして掃除できる道具があるからそれを購入するなどしてご自分で何とかしてください”というお返事です。
磁石で挟み込むグッズはつぶやき主も知っていますが、拭けない部分も多く、やはりゴンドラなどを吊って外部から拭くのとは、仕上げが全然違います。
この点をさらに指摘すると、“では管理組合の総会時などで意見されてください”です。
マンション管理組合の意思決定の在り方を全く知らない担当者です。

この提案は、総会ではよく聞かれる意見ですが、まず間違いなく否決されます。
全部の住戸に内側から掃除のできないFIX窓がある場合は別ですが、多くのマンションで角部屋など一部の住戸にしかFIX窓がありません。
“それら一部の人のために、管理費を使うのは如何なものか?”って反対意見が勝るのです。
では、FIX窓がある人が大部分を負担して管理組合も少しは負担するのか?FIX窓ある人だけに費用全てを負担させるのか?などの意見が噴出します。
そして暗礁に乗り上げます。

これは購入時に予め予算計上していないと、管理組合設立後に思い立っても上手くいかない典型的な例です。
購入時に予算計上されていると、購入者はそれを承認して購入するとなりますので、そもそものスタートラインが違います。
この辺りは、マンションデベロッパーとしてのノウハウなのか?もしくは気配りなのか?ですが、最終的に迷惑を被るのは、管理組合であり、FIX窓のある住戸購入者です。

分譲時には、管理について現場経験のある人が原始管理規約の作成や、管理に関する承認書に関わらなくては、本当に住みやすいマンションは出来ないのかもしれません。

気配りの足りない売主さんが多くて、管理会社やつぶやき主は後始末が大変です。