マンション管理士の独り言・・・1068

マンション管理士の独り言・・・1068

「消費者保護って、なんの話??」

分譲マンションの購入者は、購入した住戸や共用部分に瑕疵(隠れた傷)あれば、法律を含め3つの約束事(取り決め)で守られています。
一つは民法の瑕疵担保責任。規定されているのは瑕疵あることを知った時から1年ならば、売主に対し損害賠償か契約解除を請求できます。
補修は請求できる項目に入っていないことに注意です。
しかし購入者が瑕疵に気が付いた時から1年というのは、仮に購入後10年目に気が付いた場合でも、その責任を売主に負わせるのはちょっと酷すぎるよね、って言う意見が大勢を占めるようになりました。
そこで宅建業法により「引き渡し後2年以内に発見された瑕疵について売主は責任を負う」としてもいいよ、となり現在の不動産取引ではこっちばかりとなっています。

しかし2年間では短すぎるよ、もっと消費者に手厚くしなきゃ、という考えからでしょうか、「住宅の品質確保に関する法律」が成立し、“雨水の浸水を妨げる部分”“構造耐力上主要な部分」に関しては10年の保証を義務付けました。さらに、損害賠償及び契約解除に加えて補修も請求できることとしました。この法律は強行規定ですので、10年という期間を短くすることは出来ません。

更に、売主さんが独自で「アフターサービス基準」を設けて、それぞれの瑕疵部位ごとに引き渡し後○○年間はアフターサービスを行いますよ、ってなっています。アフターサービスの内容は期間内に見つけられた瑕疵については売主サイドで無償で補修しますよ、って意味です。

民法(宅建業法)、住宅の品質確保に関する法律、更にはアフターサービスによって消費者(=購入者)は守られているから大安心、とならないところが悲しい現実です。
今まで13年間ご当地でマンション管理士として売主さんに対する苦情を受け付け、売主さんと交渉してきましたが、スンナリと瑕疵を認める売主さんなんて皆無です。
理事長含め組合員の方は、上記3つの法律を含めた3つの約束事があるから、売主さんは瑕疵についてキチンと対応してくれると思っています。
それを前提として売主や管理会社に補修をお願いしますが、アッサリとは受け付けません。しびれを切らして理事長名で書面で補修依頼を提出することになります。
すると、多くの場合「車両通行による排気ガスや振動などの影響で顕在化した物であり瑕疵には当たらない」「コンクリートの収縮によるもので瑕疵には当たらない」「雨風などの自然現象による経年劣化で瑕疵には当たらない」という返答です。
コンクリート収縮、自然現象による経年劣化という文言は何度見たことか。
つぶやき主の事務所には、多くの売主さんの瑕疵に対する見解書がありますので興味のある方は見に来てください。

また購入者からよく聞く言葉が、「大手だから信頼して購入したのに」「長いこと地場でやってるから信頼したのに」などですが、これらは甘い幻想です。
顧客満足、購入者第一などを標榜していて、恥ずかしくないの?って対応を取る売主さんが多いのに閉口しています。

そしてつぶやき主に相談があります。また売主さんに嫌われちゃいます。