マンション管理士の独り言・・・1074

マンション管理士の独り言・・・1074

「竣工後2年、10年」

分譲マンション竣工後2年というのは、売買契約における瑕疵担保期間のことです。
分譲マンションを購入する際は売主と買主との間で売買契約が締結されます。
注文住宅を建てるときに工務店などとの間で交わされる工事請負契約とは異なります。
そして売買契約では民法の「瑕疵あることを知ってから1年」というのを特例として「引き渡し後2年」としています。

分譲マンションの場合、専有部分の施工精度に関しては、内覧会や確認会を通して購入者のチェックが入ります。
しかし廊下階段、特に屋上防水などの共用部分に関しては購入者の誰もチェックしません。
しませんと言うより、チェックできる体制やスキームではありません。
つぶやき主も内覧会同行時に屋上を見せてほしいと何度か購入者さんを通して売主さんにお願いしてみましたが、ことごとく断られています。
どっちかというと専有部分の出来栄えより共用部分の施工精度のほうをよりチェックするべきだと考えていますが叶いません。

では、共用部分はノーチェックで管理組合さんへ引き渡されるのかというと、共用部分の施工精度は管理会社さんが行っています。
行っていますと言いましたが、本当に行ったのかどうかはわかりません。
また行っていたとしても、まア、ザルです。
管理会社さんのほとんどは売主さんの子会社とか資本関係にあるところばかりです。
資本関係がなくても、売主さんからそのマンションの管理業務をいただいているのですから、厳しいチェックなど出来るはずがありません。

引き渡し時に購入者の誰も共用部分に関してチェックしていないのに、もし後日これらの部分に瑕疵(不具合)が発見されても“アフターサービス基準により2年までです”なんて断られちゃいます。
2年以内であっても、“経年劣化によるもので瑕疵ではありません”なんて言う、「立派な」売主さんもあるほどです。
また、アフターサービス基準内に“共用部に不具合がありますから、売主に言って補修してもらいましょう”なんて管理組合の立場に立った管理会社さんなんてお見かけしたことがありません。

ならばどうするか?つぶやき主みたいな専門業者に瑕疵担保期間の竣工後2年以内に建物調査を依頼しましょう。
少々、お金がかかってもこれは実施するべきです。屋上防水については10年以内です。
何も不具合箇所がなければ、御の字です。安心料です。
もし不具合あれば、売主に補修してもらえます。少なくとも、“瑕疵保証期間の2年を過ぎている。アフターサービス期間を過ぎている”と抗弁は出来なくなります。

マンション購入者は、買ったのは専有部分だけじゃありませんよ。共用部分についても共有持ち分を購入したんですよ。
もう少し自分が買った共用部分についても関心を持たなきゃ、です。