マンション管理士の独り言・・・1146

マンション管理士の独り言・・・1146

 

「マンション居住者を困らせる設備」

 

北九州市内の分譲マンションの設計に携わる建築士さんにお願いです。

外観的に映えたり、或いはコスト削減できるのでしょうが、マンション管理組合が扱いに困るような設備を設置しないでください。

 

具体的に困る設備を列挙します

①バルコニー手摺下の排水溝を隣の住戸と繋げないで下さい。また、上階からのバルコニー排水を2階住戸に集合させないでください。

誰でも隣や上階からのバルコニーを掃除した後の排水が我が家のバルコニー排水に流れてくるのは嫌なものです。

“犬を飼っていない我が家のバルコニーにお隣のワンちゃんの抜け毛が流れてきて、それを何で掃除しないといけないの“です。

知らず知らずのうちにお隣さん同士が仲が悪くなります。その住戸のバルコニー排水はその住戸のみで完結させてください。

2住戸で1つの排水竪管などもってのほかです。

 

②内から掃除できないFIX窓は設置しないでください。

これはなかやしきさん(つまりはスズキ設計のS建築士)によく見られる仕様です。

妻側住戸の窓に開け閉めできないFIX窓を設置しています。バルコニーがない個所に設置しています。

上下2段になっていて上は滑り出し窓なので何とか掃除できますが、下は開け閉めできないFIX窓なので掃除できません。

掃除するには専門業者に依頼して屋上からのロープ作業になります。

この費用の支出について管理組合では揉めます。

全住戸にこのFIX窓がついているならいいのですが、妻側の限られた住戸だけです。

“一部の住戸のために管理費から支出していいのか”って意見が出されます。

部屋の採光面積も十分に確保できているはずです。

確かに窓面積が大きいと壁のクロス張りよりも明るくなって開放性も上がり、暖房費などのコストカットにもつながります、

しかし実際の管理の運営上は、デメリットの方がはるかに大きいと考えます。

どうしても採用したいのならば、当初の予算案に年に2度くらいのFIX窓清掃という項目を計上していてください。後々の管理組合に話し合いに任せられると混乱しちゃいます。

 

③洗濯盤をドラム式洗濯機を置いても排水管高圧洗浄できる嵩の高いものにしてください。通常の洗濯盤では2年に一度くらいの頻度で行う排水管高圧洗浄時に、ドラム式洗濯機では洗浄が行えません。

自重もあるため業者では移動してまで洗浄作業を行いません。動かしている最中に壁クロスなどを破く恐れがあるからです。

何年も1部の住戸だけ洗浄が行えないというのは、高圧洗浄の効果が半減します。

洗濯盤は嵩の高いものを設置してください。

 

“共用部分だから、あとの管理は管理組合さんお任せね”では困ります。

設計時に、管理に携わる人の意見を取りれては如何でしょう???