マンション管理士の独り言・・・1152
「適正な修繕積立金への期待」
なかやしきさん分譲マンション“アーティックス”の毎月の修繕積立金が値上がり傾向にあるのかなって、期待しています。
12月竣工の“アーティックス戸畑沖台”では、毎月の修繕積立金が㎡あたり90円と設定されています。
今までは、40円程度のマンションが多かったのにいい傾向です。
長期修繕計画もまだまだ物足りない部分は沢山ありますが、値上げ計画も提案されており、ずいぶんとマシになっています。
グランドパレス黒崎ランドマークスでは修繕積立金を当初より127円とし、将来にわたって値上げはない設定となっています。
国交省では、地場含め多くのデベさんが取り入れている段階式値上げ方式よりも、グランドパレス黒崎ランドマークスのように当初高額設定で将来にわたって値上げなしという方法の方を推奨していますが、なかなかここまで踏み込んだ物件は見られないのが実情です。
修繕積立金を当初から高額設定とすると、ローンを含め月々の支払いが大きくなってしまい、販売の足を引っ張ってしまうという懸念から多くのデベさんは敬遠しているようです。
当初高額設定が望ましいのですが、段階式値上げ方式であっても以前に比べると数段よくなってきています。
修繕積立金に対する購入者の意識が高くなってきているのが最大の要因でしょう。
修繕積立金に対して、管理費は高額になっている傾向にあります。
管理費とは日常の管理に要する費用ですが、管理人さんとは別にコンシェルジェを置いていたり、管理人さんは門番のように管理人室にいるだけで掃除は別の清掃員が行うなど、手厚いサービスの結果です。
北九州発祥の「ゴミ出しケータリングサービス」っていうのもコストアップの要因になっています。ゴミを玄関先に出していれば、管理人さんなどが1階ゴミ置き場までもっていってくれるというものです。
また、パンフレットに「警備会社が24時間管理」なんて謳われていますが、デベさんはそのサービスを段取りしているだけで、それに要するコストは管理費から支出されています。
よ~く考えてみると「警備会社の24時間管理」が何故そのマンションの売りになるのか分かりません。
このような手厚いサービスの影響で、駐車場使用料などは管理費に充当される傾向にあります。
国交省では駐車場使用料などは、毎月費消される管理費会計ではなく、月々積み立てられる修繕積立金へ充当すべきとしています。
修繕積立金の値上げは、総会決議事項です。
値上げ議案を検討する際には、必ず“現在の管理サービスで余分なものがないか?それらをそぎ落として初めて値上げが承認される”という至極もっともな意見が出されます。
修繕積立金がこれまでより高めに設定されるのは、いい傾向ですが、手厚すぎる管理サービスになっているような気がしています。
“そのサービス、本当に必要ですか?”って感じです。