マンション管理士の独り言・・・591

「竣工図面」

つぶやき主は小倉北区のマンションの大規模修繕工事の設計・監理+合意形成のコンサルタントを行っています。
つぶやき主が担当するのは勿論合意形成部分で、設計・監理部分はキャリアのある1級建築士2名が担当しています。
市内では最強メンバーじゃないかと自負しています。

つぶやき主もハウスメーカー時代~マンション販売センター長を経験していて、それなりに建築についても詳しいつもりでしたが、やはり1級建築士さんは違います。
しかも現場に強い1級建築士さんには学ぶべきことが沢山あり、毎日勉強させてもらっています。

大規模修繕工事の設計・監理に当り図面をお借りして仕様などを検証しています。
そして、現場にもひんぱんに入り仕様を現地で確認します。
その結果、「アレッ!」です。

修繕委員の方から“外階段に雨水排水がないので、1階踊り場に水が溜まっちゃって、エレベーターに浸水したこともあった。修繕工事の際は雨水排水を検討して新設してね”って頼まれていたのですが、“外階段に雨水排水がないなんて変なマンション”って思っていました。
ところが建築士さんが竣工図面をよくよく検証すると、図面には雨水排水が設置されているようになっているのです。
だから、「アレッ!」です。図面と違うじゃん。

もう築10年は経っていますが、当初施工すべきだったものを施工していないので瑕疵ではないと考えます。未施工です。
売主さんや施工ゼネコンさんへ「未施工だから施工してよ」って書面を送りつけています。
でも10数年もの間誰もこの状態に気が付かないという現実には考えさせられちゃいます。
建築に詳しくない一般の組合員さんは気が付かないのも無理はありませんが、管理会社さんは何をやっていたのでしょう?
マンション関連の仕事に携わる者として外階段に雨水排水がないということに“オカシイな?”って疑問を持たなかったのでしょうか?図面見れば一目瞭然なのに。

最近は大規模修繕工事実施に当たり「設計・監理を1級建築士事務所に依頼したけど、何とも頼りないので、その1級建築士さんがやってる設計・監理を管理してよ」ってお仕事があったりします。
1級建築士さんの仕事にケチつけるみたいであんまりやりたい仕事じゃありませんが、貧乏なつぶやき主はお受けしています。

大規模修繕工事を実施したけど、竣工間際に最上階のお宅から雨漏りしだした、なんて間抜けな話もあります。
管理組合の予算を考えて、足場を組んでいる時にしかやれない工事を優先した結果、足場なしでもできる屋上防水を後回しにしたツケが出てきたのです。
理事長さんは「大規模修繕工事が終わったとたんに雨漏りするような誤った優先順位をつけるような建築士に金なんか払えるか!」ってオカンムリです。

設計監理を行う1級建築士さんの管理を行わなきゃなんない、なんて事が今後は増えてくるような気がします。