マンション管理士の独り言・・・964

マンション管理士の独り言・・・964

「将来トラブルに発展するマンション・・・1」

もう高校生に売るしかない、と思えるほど各地でマンションが分譲されています。分譲マンションは完売すれば利益は大きいのですが、賃貸マンションの様に来年も再来年も家賃収入が期待できるというものではありませんから、マンションデベさんは、毎年新規マンションを分譲しなければなりません。
黒崎地区、折尾地区、小倉大手町地区、門司港地区、モノレール沿線などに新規物件が集中しています。

まずは、希望のエリアでニーズやウォンツにあった物件を探すのでしょうが、つぶやき主からすればあまりお勧めしない物件もあります。
購入すれば将来トラブルに巻き込まれる可能性が大なマンションがあります。
購入者は、仕事の疲れをいやす場、家族団らんで楽しめる場、子育てを楽しめる場としてマンションを購入するのでしょうが、そのマンションの管理組合でもめ事があっては嫌ですよね。管理組合でのトラブルというのは、そこに住んでいる人との間のもめ事ですから質が悪いのです。
そんな将来トラブルになる可能性がない、マンションを選ばなければなりません。
では、どんなマンションが将来トラブルになるか?

トラブル可能性Aランクは、分譲駐車場です。
分譲駐車場を購入しほとんど使用料を負担せずに利用している人と、管理組合と使用契約を結び使用料を負担している人との間でトラブルが生じます。
また、分譲駐車場の数だけ修繕積立金が管理組合に入ってこないので、大規模修繕工事時に一時金などが発生することもあります。
敷地全てを購入者に売っておきながら、何故駐車場を分譲出来るのかさっぱりわかりません。また、その売却利益を売主が懐に入れるというのも理解できません。分譲駐車場に端を発したご相談がよく持ち込まれますが、解決策は見出せません。
北九州地域だけにはびこる、アコギな販売方法です。

続いては、これもトラブル可能性Aランクです。
杜撰な長期修繕計画です。分譲時には3000円とか4000円くらいの積立金を設定していますが、これで賄えるわけありません。5年後には3倍くらいに値上がりします。
値上がりすることをキチンと購入者へ説明していないので、値上げ議案を審議する総会では大モメにモメます。
また、数量や工事方法が記載されていない長期修繕計画では全く精度に欠けます。
そんな値段で大規模修繕工事が出来るわけないじゃん、です。

次はトラブル可能性Bランクです。
竣工時にまだ売れていない住戸があったときの管理費・修繕積立金を負担しないという物件です。
売れていないことについて管理組合には何の責任もないのに、売れていないことによる負の部分を全て管理組合に押し付けていることになります。
“売れていないならば、それは売主のものでしょ。売主が負担するのが当たり前じゃん”
サンリヤンシリーズでは、売れていない住戸の管理費・修繕積立金は勿論ですが、その上に未販売住戸1戸につき1区画分の駐車料代金まで売主が負担します。
売れていない期間が長ければ長くなるほど、管理費や修繕積立金が入ってこないことになりますから、大規模修繕工事時に積立金が足りなくて一時金が発生するなんて事例が実際に生じています。

次回は、トラブル可能性Bランクについて