マンション管理士の独り言・・・969

マンション管理士の独り言・・・969

「長期修繕計画改定」

お世話している門司の管理組合さんです。
初めて長期修繕計画の見直しを行いました。
初めての見直しですから、今までの長期修繕計画は、分譲時に売主さんが作成していたものです。
見直しに当たり先ずは、数量の算出を行わなければなりません。
今までの長計は、各項目別にザックリ12年目には○○万円必要ですと記載されているだけの極めて精度の低いいい加減なものでした。
数量や施工方法が示されていないのに、どうやって工事金額を算出したのか、全くわかんない、というものです。
数量や面積の提示を売主さん、設計会社さん、施工会社さんへ依頼しますが、なかなか出てきません。
あまりに悠長な対応につぶやき主が“○○の事知ってるよ。”“△△の書面公表しちゃうよ”とちょっとだけ匂わせたら、直ぐに提出されました。
こんな事言うから嫌われちゃうのです。

当初の長期修繕計画では、12年目の大規模修繕工事時には戸当たり約70万円とされていた工事費が、実際に積算してみれば2倍以上の170万円となりました。
当初の長期修繕計画は70万くらいの工事費として立案されていますので、修繕積立金も㎡あたり30円と著しく低額です。
駐車場使用料だって近隣に比べればとても低額に設定されています。

「住宅ローンと管理費・修繕積立金、更には駐車料まで加えて月々○○○○円ですよ。今のお家賃と比べてみてください。あなたはまだ賃貸に住み続けますか?」という営業トークが目に浮かびます。
マンション販売には、修繕積立金が低ければ低いほど売りやすいという力学で設定された金額なのでしょうが、㎡あたり30円というのはあまりに低すぎます。

30円ではとても足りません。このままでは大規模修繕工事時に一時金が発生します。
すぐにでも値上げしなくてはなりません。
理事会へは数種類の値上げ案を示しました。
そして来年の通常総会で100円に値上げすることが決まりました。
いきなり30円⇒100円では当惑するだろうからと、12月最初の日曜日に事前説明会を開催しました。

つぶやき主の説明に、「初めから低額すぎると思ってた」「腹立たしい販売方法だ」「売主系列の管理会社は変更しろ」など非難ごうごうです。
多くの方は低額すぎる、値上がりするだろうなとは薄々は感じていたようですが、「いきなり3倍かよ!」です。

積立金の値上げには付きものの、管理費での余分な“贅肉”部分の見直しをしなければなりません。
今後理事会では、アンケートを実施するなどして組合員の意見をくみ取り、経費削減を目指さなければなりません。

いい加減な長期修繕計画、積立金値上げ計画で販売しているせいで、管理組合はいい迷惑です。もちろん、つぶやき主もいい迷惑です。

当初30円とか50円で修繕積立金を設定している売主さんには、いい加減にしろよ!と言ってやりたいです。