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マンション管理士の独り言…599

マンション管理士の独り言・・・599

「マンションの建て替え」

東京カンテイの調査では、これまで全国でマンションの建て替えの成功例は202件。
そのうち東京が約6割を占め、117件です。
福岡県ではつぶやき主の知る限り3件で、北九州ではまだ1件もありません。
また、マンションの竣工~建て替えられた時期までをマンションの「寿命」とすると、33年が「寿命」という事です。
感覚的には第3回目の大規模修繕工事の際にそのまま大規模修繕を実施するのか、或いは建て替えへとシフトするのか、ではないでしょうか。

建て替えを成功させるためには、組合員の合意形成や綿密なスケジュールや、お役所の関与も出てきますので、その辺りの擦りあわせ等も必要になってきますが、1番大事なのは何といっても容積率です。
容積率と言うのは敷地に対してどれだけのボリュームの建物が建てられるかを都市計画法によって定めているものですが、北九州の場合、住居系のエリアで200%、商業系のエリアで400%というのが相場です。
例えば、1000坪の土地があって、容積率が200%ならば、敷地面積の200%=2倍の2000坪の建物が建築出来るってことになります。
それ以外にも、建ぺい率や各種斜線制限、日影規制などに加え近隣住民からの要請もあったりしますので、実際には2000坪の建物が必ず建てられるってわけじゃないですが、容積率からすると2000坪の建物OKということになります。

容積率が200%の土地で150%しか使っていないならば、まだ使える容積率が50%も残っていることになります。
上記の例で容積率200%のエリアで1000坪の土地では1500坪の建物が建っていることになり、残りの容積率50%を利用することで更に500坪の建物を建てることが可能です。
建て替えの場合はこの容積率残余分を使って増床し、それを売って建てかえの費用を捻出するという方法が一般的です。
つまり容積率残余分で500坪の建物(3LDK住戸20戸相当)を建て、それを売って建築費に充てるのです。
今まで80戸だったマンションを100戸にして20戸分を売り出すことによって建築費を稼ぎ出し、住民の持ち出しを低く押さえようとするものです。
ですから容積率に余りがあればあるほど建て替えは資金的には容易になってきます。

ところが“容積率を余らせる”ってことは売主からすれば、後20戸も余計に建てられるのをみすみす見逃すことに他なりません。
設計士にキツくいいます。「容積率を目いっぱい使ってね。」
かくして最近の分譲マンションは容積率200%のところを、199,9%とか199,8%とかまで神業のように使い切っています。これじゃ建て替えはほとんど不可能です。

国交省の方でもこのような現状を理解していて、容積率を緩和する方向で検討しているようですが、なかなか上手くいきません。地域住民の反対がすごいのです。
200%の容積率のところを仮に400%までOKとしちゃうと、単純に言えば10階建てのものが20階になっちゃう、或いは100戸のマンションが200戸になっちゃう、です。地域住民からすれば日当たりは悪くなるし、とんでもない話ってことです。

容積率を目いっぱい使ってる売主から見れば優等生のマンションは、建て替えなど考えずに地道に修繕積立金を貯めて大規模修繕工事に備えましょう。



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