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福岡・北九州のマンション購入される方、マンション管理組合へのコンサルタント

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2017年01月


2017年01月30日

マンション管理士の独り言・・・815

マンション管理士の独り言・・・815

「中古マンションクライシス・・・②」

前回は修繕積立金が当初3,000円~4,000円程度と低く設定されているマンションでは5年目に2倍、10年目には3倍程度に値上げされる。それだけ値上げして、さらに分譲当初に負担した修繕積立基金を加えて、それで何とか第1回目(築後12~15年後)の大規模修繕工事時費用は賄える。
ただし、第2回目の大規模修繕工事時に向けては、積立基金なども使い切ってしまっているので更なる値上げが必要だとつぶやきました。

では仮に積立金が当初の5倍になれば、どうなるかについて簡単なシュミレーションをしてみましょう。
当初4,000円だった積立金が20,000円となります。
今の金利では、月額20,000円というのはローンの返済額換算で35年払いとして約690万円に相当します。
つまり2000万円で中古マンションとして売り出した時、返済額から見ると購入者は2690万円の物件を購入するのと同じということになります。
中古として2000万円の価値しかないマンションを2690万円で購入する人はいません。ではどのようにしてこの物件を売るのかというと、2000万円から690万円を引いて1310万円で売るしかありません。

でもそれじゃ、売主さんは売りません。2000万円の価値があり、また長年住んで愛着のある我が家を690万も値引いて半ば叩き売るようなことはしたくありません。
また、売りたくっても売れません。
1310万円ならばその時のローン残債に全く届きません。
1310万円で売れたとしても、700万円くらいの追い銭をしないとローンは完済できないはずです。

2017年01月26日

マンション管理士の独り言・・・814

マンション管理士の独り言・・・814

「中古マンションクライシス・・・①」

のっけから衝撃的なお題目ですが、あと10年もすれば北九州市内の中古マンションは売れなくなっちゃいます。
売れなくなる原因で一番大きなものは、修繕積立金の負担があまりに大きくなりすぎることです。

直近の国交省のマンション総合調査(平成25年年度分)では、修繕積立金の全国平均額は10,783円(駐車場料金は別途)なのに、市内新築マンションでは相変わらず3,000円~4,000円と設定しています。
これは、「毎月のローン支払い額と管理費+修繕積立金、さらに駐車場料金を加えても○○○円です。あなたはまだ賃貸に住み続けますか?家賃を支払い続けますか?」というセールストークを使いたい売主さんの思惑から導き出されたものです。
分譲当初は少しでも修繕積立金を低く設定しようという「販売第一主義」の思惑以外の何物でもありません。

4,000円程度でまかなえるわけありませんので、将来的には必ず値上げされます。
値上げ額の目安は新築後5年で2倍、10年後に3倍といったところです。
25年後には6,4倍って設定されている長期修繕計画もあります。
積立金が10年後には当初の3倍ってしているマンションでも、長期修繕計画には1回目の大規模修繕工事に赤字にならないように設定するとあり、25年~30年後に実施される2回目の大規模修繕工事時にはこれでは不足します。
もっと値上げしなくちゃなりません。

2017年01月23日

マンション管理士の独り言・・・813

マンション管理士の独り言・・・813

「大規模修繕工事時にお金がかかるマンション・・・その2」

前回は屋上に設置しているソーラーパネルや架台について大規模修繕工事時には、それらをどのようにするのかについてつぶやきました。
一旦取り外すとなると、脱着そのものの費用の他に、地上へ下ろす際のクレーン車の費用、さらには仮置き場の確保など大変な作業と出費になる。では取り外さないままの状態で防水工事が出来るのかというと、80㎝の高しかない架台の下へ腰を折り曲げての窮屈な姿勢での作業となり、そんな工事を請けてくれる業者さんがあるのか、またあったとしても工賃は高くなることが予想される、とつぶやきました。

ではどうすれば良かったのか?
簡単です。新築時、架台を設置する際に屋上防水補修の作業も考慮しておれば良かったのです。架台の高さを80㎝でなく、人が作業するのに十分な高さを確保していれば良かったのです。80㎝の架台を2メートルくらいにしておけば作業員は通常通りの作業が行えますし、管理組合さんも余計な出費が抑えられます。
2メートルの高さならばメンテナンス時にちょっとだけ大変でしょうが、ソーラーパネルのメンテナンスはそれほどの頻度で行うわけでもありません。

ソーラーパネルを設置してそこで得られる電力分だけ管理組合さんは共用部の電力費用の削減となるのでしょうが、大規模修繕工事時にソーラーパネルがあることによるコストアップの方が大きければ喜劇です。
地球環境に全然優しくありません。

ハッキリ言って設計士さんの配慮が欠けています。というより、新築マンションの設計士さんには建物のメンテナンスのやり易さについての思考がないのではないでしょうか。
大規模修繕工事の設計監理を行ったことのある設計士さんなら、このような設計は行うわけがありません。

2017年01月20日

マンション管理士の独り言・・・812

マンション管理士の独り言・・・812

「大規模修繕工事時にお金がかかるマンション・・・その1」

マンションは新築されたその瞬間から劣化が始まります。
このため大体、10年から15年のスパンで大規模修繕工事を実施します。
建物全体に足場を組みネットを張り、屋上やバルコニー防水補修、サッシュ廻りのシーリング補修、外壁のタイルや塗装の洗浄や補修、鉄部塗装などを行います。
25年~30年目で行う2回目の大規模修繕工事時には、これらに加えて給水管の更生・もしくは更新工事、エレベーターのリニューアル工事なども発生します。
また鉄部塗装は5年くらいのスパンで定期的に実施しないと、錆びついてしまい肉厚がほとんど残らない状態にまでなってしまいます。
こうなると手遅れで、補修で効かず、取り換え工事になってしまい、かえってお金がかかってしまいます。

劣化診断などで頻繁に屋上などに登っていますが、大規模修繕工事時にお金がかかるだろうな、って感じるマンションがあります。
例えば、雁行タイプの配列となっているものや、出窓など張出し部の沢山あるマンションです。足場をどのように組むのかな?余計なお金がかかるだろうなって感じます。
以前にもつぶやきましたが、建物に隣接して植栽が配置されていて、大きな木が生い茂っているマンションなんて目にすると足場をどのように建てるのかな?って思う事もあります。
ゴンドラ作業しか仕方ないか、って思いますが、ゴンドラでの作業は基本的に風がない時がベターです。
結構揺れますので、強風時には2人で乗り込んでそのうちの一人はゴンドラが揺れないようにバランスを取る役目に終始しなければならず作業効率があまりよくありません。
そもそもゴンドラ作業では、工事がキチンと行えたかどうかの確認作業が理事会では行えません。
大規模修繕工事はやはり足場を組んでの作業が王道です。

先日屋上一面にソーラーパネルを設置しているマンションがありました。
防水シートの上に保護コンクリートを打設し、架台を組んで屋上いっぱいにソーラーパネルを設置しています。
地球環境にも優しい自然エネルギーの太陽光発電です。共用部分の照明の電力はこれでまかなえそうです。

2017年01月16日

マンション管理士の独り言・・・811

マンション管理士の独り言・・・811

「錆びたステンレス」

マンション雨水竪樋を設置する際には、掴み金物が用いられます。
以前はこの掴み金物が鉄製だったので、適宜キチンとした塗装メンテナンスを行っていないと、錆びついてどうしようもなくなっていました。
最近のマンションでは、鉄製の掴み金物は見られず、変わってステンレス製のものが使用されるようになりました。
ステンレスとは文字通り、ステン(=鉄)、レス(=使っていない)なので“錆びない金属”というのが通り相場です。
錆びないといっても、もらい錆などもありますので、全く錆びないということでもなく、極めて錆びにくいと言った方が正解かも知れません。

このステンレスにも大きく4つの種類があるそうで、磁石にくっつくステンレスもあります。
鉄にクロム10,5%以上混ぜたフェライト系ステンレス(JIS400番台)は磁石にくっつきます。
鉄にクロム18%程度とニッケル8%程度を混ぜたオーステナイト系ステンレス(JIS300番台)は磁石にくっきません。またこのステンレスは18-8ステンレスとも呼ばれ、スプーンなどに良く使われています。

要するに鉄の含有率が高くなれば磁石にくっつくのです。
以前は、磁石にくっつくのは安価なステンレス、くっつかないのは高価なステンレスなんて言われていましたが、ステンレス業界によればそうでもなくて、磁力を通過させ(磁石にくっつかない)ステンレスと、通過させない(磁石にくっつく)ステンレスとで用途が異なるらしく一概にくっつくから安価、くっつかないから高価とは言い切れないということです。
しかし、金属買取業者に言わせれば、磁石にくっつくステンレスは鉄と同様の価値しかなく、くっつかないステンレスとで、買取価格は天と地ほどの差がつくという事です。

2017年01月13日

マンション管理士の独り言・・・810

マンション管理士の独り言・・・810

「出席しない理事」

もう永いことお世話している管理組合さんです。
その管理組合さんでは理事さんの選任方法を、順番制としており、任期は1年で、1年で理事さんは総入れ替えとなります。
任期や、半数入れ替えか総入れ替えかは別にしても、理事就任については順番性を採用している管理組合さんがほとんどだと思います。
報酬があるかないかに係らず多くの理事さんが、1年は理事としてキチンと職務をこなそうと思っていますし、現実にも責任感持って職責を全うされています。

しかし、残念ながらそうではない理事さんもいます。
理事会に一度も出席しないまま、任期が終わってしまう、という無責任な理事さんもいます。
毎回の理事会の都度、「今回は必ず理事会へ出席してください」「1度も出席されずに任期終了となれば無責任ですよ」と手紙や電話などで依頼しますが、やはり欠席です。
理事でない一般の組合員の方の中には、当期理事の理事会への出席回数を調べている方がいて、「○○理事はまだ1度も理事会へ出席してないじゃん。これで任期終了とさせちゃいけないよ。何か対策考えてよ」って当然の要請があります。
理事会や管理会社、つぶやき主で出席していない理事さんへ「総会時に1度も理事会へ出席していない理事さんがいて、それで任期終了というのはオカシイと意見されると対応できない」とお話しするのですが、やはり次回理事会にも欠席です。

理事会でも、「このまま1回も理事会に出席せずに任期終了はオカシイので何らかの対策やペナルティを」と検討しましたが中々、いい案が浮かびません。
もうすでに10年先までの役員就任の順番が決まっているのに、一人の理事を来季も継続とすれば順番がややこしくなってしまいますし、罰金を徴収するというペナルティも実現させるとさまざまな悪弊が出てくることが考えられます。
罰金をあまり多額とするわけにもいかず、また少額すぎると、「そのくらいの罰金で済むなら理事会へ出席しない」って方が現れると困ります。
そもそも罰金を科すことが有効なのか、適正なのかってこともあります。

2017年01月10日

マンション管理士の独り言・・・809

マンション管理士の独り言・・・809

「廃業」

「廃業」というか、流行りの言葉で言うと、「選択と集中」です。昨年末に不動産業を廃業しました。
土木事務所に廃業届を持って行って、ものの5分で受付され、廃業となりました。
「廃業」といっても、ここ3年くらい売買何てやっていませんでしたから、何かが変わるわけではありません。
「つぶやき主さんとこは、本業は不動産業でしょう。マンション管理士業は片手間でやっているんでしょう」なんて悪意のある組合員さんから、口撃されたこともありましたから、サッパリしています。
これからは、マンション管理士業一筋です。

「廃業」した理由はいくつかあります。大きくは不動産業の看板は掲げていても全く売買などの仲介をやっていなかったし、また営業活動も行っていなかったことです。
実際、不動産業は片手間で出来る仕事ではありません。
法規制が厳しくまた、売主買主ともに不動産仲介業者へ求める法令順守要求が年々高まっているという状況があります。

一方でマンション管理士に対する需要の高まりもあります。顧問としてお世話してほしい、雇われ理事長として迎えたい、というお声がアチコチからかかるようになりました。
管理規約改正や大規模修繕工事コーディネートなどのスポット的なコンサルタントのお声もかかります。
北九州市からは、分譲マンションでの町内会設立の専門家派遣依頼や各種セミナー講師としてのお声がかかります。
失業対策として、ハローワーク関連事業「マンション管理員講習」「清掃員講習」での講義依頼もあります。
その他、リビング北九州誌「専門家といくマンションモデルルームツアー」「マンショントラブル相談室」の回答者もやっています。
管理会社さんが理事長さんを対象にしたセミナーでの講師依頼・・・・。

2017年01月07日

マンション管理士の独り言・・・808

マンション管理士の独り言・・・808

「受水槽」

毎朝エースの散歩を欠かしません。
エースというのは、飼っているオス(去勢しているから正確にはオスじゃないかも)のビーグル犬です。もう15歳になります。
お気づきでしょうが、つぶやき主の会社「エースマンションコンサルタント」のエースはこの犬からもらったもので、もし仮にワンちゃんが太郎だったら太郎マンションコンサルタントだったはずです。

散歩の途中に築20年くらいのマンションがあり、まだ一度も大規模修繕工事を実施していないようです。
あちこちが煤けていて“早く補修すればいいのに”なんて思っていますが、特に受水槽の痛みが激しく目につきます。
このマンションは、川沿いにあり、緑も多く、沢山の人が散歩コースとしている歩道わきに建っています。
受水槽は塗装も剥げ落ち、緑の苔がびっしりと貼りついています。
こうなると受水槽内部には太陽光線が届くようになり、その結果光合成が起こりやすくなり、内部に苔や藻が発生します。
飲み水ですから、何より清潔さが求められます。苔や藻が発生してはいけません。

受水槽には年に一度の清掃と定期報告が義務つけられています。
義務つけられていても、自主管理のマンションなどではこれらを実施していないとこもあります。
このマンションも、清掃や報告は行っていないのでは、と思いますが、散歩の途中に人相の悪いオッサンから、「受水槽の清掃や定期報告やってるの?」なんて聞かれても気味悪がられるのが関の山ですから、散歩のたびに気になりながらも、素通りしています。
「ここの水は飲みたくないよな」です。

2017年01月04日

マンション管理士の独り言・・・807

マンション管理士の独り言・・・807

「酉年を迎えて」

新年オメデトウございます。今年はつぶやきも記念すべき1000回に到達しそうです。
しっかり北九州のマンション事情をつぶやいちゃいます。

年末に毎日新聞さんから電話があり、「11月から全5回で『マンション漂流』という特集を組んでいる。年末に読者の感想を含めた特集号を組みたいが、“独り言”から少し引用させてほしい、併せてフルネームと年齢も掲載させてほしい」というご依頼です。
女性の水着もそうですが露出は多い方が良いに決まっています。OKです。
出来れば一面トップに顔写真入りで、なんて頼みましたが、それは、・・・無理です。と笑って断られました。

12月30日朝刊に掲載されていたようです。「されていた」というのは、北九州版には掲載されていないのです。ネットで確認しました。
確かに名前と年齢がしっかりと記載されていましたが、文章はほんのちょっぴりでした。
しかし北九州では、当然つぶやき主だけです。
後日、毎日新聞さんから全国版が送られてくる予定です。

今年は1月から理事会や説明会ラッシュです。
数えてみたら、劣化診断報告説明会が3件。理事会が6件。マンション管理士を採用するかどうかの説明会が1件です。管理組合設立総会にも1件出席しなくちゃ、です。
劣化診断報告会のあとは、どのような手直しを行うのかを売主さんや施工会社さんと打ち合わせしなくちゃなりません。
紳士的に静かな打ち合わせで終わればいいのですが、バトルにもなり兼ねません。



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