マンション管理士の独り言・・・361

「中古マンションの買い方」

マンションを購入しようとする人は、おおよそ以下のことを基準にマンションを選びます。
① 立地 ②利便性 ③勤務先・学校への交通アクセス ④学校区 ⑤構造 ⑥耐震性 
⑦防犯性 ⑧間取り ⑨価格 ⑩支払 ⑪売主の信頼性 ⑫外観デザイン ⑬内装インテリア ⑭収納力 ⑮施工会社の信頼性 ⑯設備 ⑰仕様など・・・。

そして、そのマンションが中古の場合には、管理状態も加えなければなりません。
管理組合も設立されているし、組合活動も行われているからです。
つぶやき主から見れば、上記①~⑰のどれよりも管理組合活動がしっかりなされているかどうかの方が重要だと思います。

そこで、北九州マンション管理支援機構では、管理面についての鑑定評価基準を作成しました。
20項目についてA~Eまで評点を付け、総合点が80点以上ならばAランク、続いてB,Cとなっていきます。

姉歯事件以来、第3者のお墨付きである建設性能評価や設計性能評価を取得するマンションが増えてきました。
これは、自社の営業マンが「うちのマンションは構造的にしっかりしていますよ」というのは当たり前で、購入者から見ればそんなことは信用できない、となります。
当事者が言うのでなく、信頼できる第3者のお墨付きが欲しいという市場の声を反映したものです。

マンション管理について信頼できる第3者といえば、マンション管理士です。
そして北九州では北九州マンション管理支援機構です。
現在はこの管理についての鑑定評価基準を不動産屋さんへ広報活動を行っています。

同時に管理会社さんへも、ご協力をお願いしています。
今までも中古マンションの売買に際して、簡単な管理に関する説明書はあったのですが、今回の鑑定評価基準の項目数はその何倍も多く、さらにより掘り下げての回答を求めています。
管理会社さんからすれば、今まで以上に手間ひまがかかります。
このお願いに対し、ダイイチ合人社さんや日本ハウズイングさんは、“前向きに取り組みます”という有難いお返事をいただきましたが、N社は“やりたくないモード”です。
おそらくこの鑑定評価基準を役員さんへ見せたら、このN社が指導している組合活動ではAランクへたどり着かないことが露見してしまうのだと思います。
要するに管理の客観的基準が役員さんへわかることが困るのでしょう。

ですが、時代の趨勢です。
遅かれ早かれ、管理面についても客観的基準が示され、中古マンション購入者がこれをおおいに活用する日がやってきます。
言い換えれば、中古マンション購入に際しての「管理の可視化」です。
中古マンションの購入を検討している方がそのマンションの管理面について多くの情報を得られるように活動していきます。