マンション管理士の独り言・・・1101

マンション管理士の独り言・・・1101

「管理人さんの勤務日数減」

コロナウィルスが蔓延して、各管理会社でもその対応に追われています。
フロントマンは人も日数も以前の半分くらいしか出勤していません。
自宅でのテレワークが推奨されています。どこの管理会社さんも理事会あてに“理事会や総会の延長もあり得ます、フロントマンの訪問や清掃の回数も減ることもあります、さらには管理人さんが詰める日も減じる可能性がありますが、この時期だからご理解お願いします”という書面を発行しています。

事実、東急コミュニティでは、管理人さんの現場出勤日数を3分の1程度に減らしています。
管理人さんに聞きました。あなたの給与はどうなるの?
「会社からは自宅勤務と聞いています。だから緊急の際はすぐに現場(担当しているマンション)へ駆けつけられるように会社から貸与された携帯電話を持って帰るよう指示されています。給与も今まで通り支払われるって聞いています。」でした。
この管理人さんは時給換算で給与が支払われているようです。
これを聞いて安心しました。勤務しない日数分だけが管理人さんの給与が減るってなれば、コロナウィルスの影響のしわ寄せが管理人さんに行ってしまうことになるからです。
念のため東急さんへ聞きました。「管理人さんの現場への勤務日数が減っても、給与は全額支払ってあげるんでしょ?」
フロントマンが該当する部署に再度聞いてくれましたが、「当社で全額負担します」との返答でした。流石に業界のオピニオンリーダーです。アッパレ!座布団3枚!です。

しかしこれで一件落着とはなりません。
管理組合さんとすれば、この時期なので管理人さんの出勤日数が減ることは仕方ないとして認めざるを得ません。しかし、管理委託契約には“管理人の出勤日数は週5日”とキチンと規定されていますので、そことの整合性をとらなければなりません。
具体的には、理事会として“勤務日数が減ればその分だけ管理委託料を下げてね”って言わなければなりません。
“勤務日数が減った分だけ委託料を下げるよう管理会社に言ったよね?”って言ってくる組合員さんが必ずいます。
これを管理会社さんに要求するのは忍びない気もしますし、また管理会社さんとの交渉の結果がどうなるかは別にして理事会とすれば委託料の減額を要請しなければなりません。

管理人さんの出勤日数が減っても、管理委託料が減額されないとなれば、それは管理人さんの給与全額を管理組合さんが負担することになります。
表向きは管理会社さんが負担するように見えても、実際に負担しているのは管理組合さんってことになります。
管理会社さんは痛くもかゆくもありません。アッパレ取り消しの上、座布団返してもらわなきゃ、です。

このあたりの管理組合さんとの打ち合わせや交渉を具体的に進めている管理会社さんはまだないようです。
コロナウィルスという、あまりにイレギュラーな事変なので対応が後手後手に回り、現実の問題解決に追いつかない面はありますが、ひとつひとつ解決していかなきゃです。
また、こういう事情だからこそ管理組合さんの硬直した対応を取らないようにしなきゃ、です。

「管理人さんの勤務日数に伴って管理委託内容に満たない業務実績になったので、理事会として管理会社さんへ委託料の減額を申し入れました。その結果、○○○○となりました。」
○○○○が必ずしも管理組合にとって満額回答ではないかもしれませんが、管理会社さんへ要求したというプロセスを経た結果の○○○○でないと組合員の承諾は得られません。