マンション管理士の独り言・・・612

「版権」

大規模修繕工事の設計監理のお仕事のご依頼が増えています。
マンションの大規模修繕工事というのは区分所有者の共有である共用部分が補修対象となりますので、多くの区分所有者の合意が必要です。
単なるビルの補修工事の設計監理なら1級建築士さんだけで十分なのですが、多くの区分所有者の合意形成を適法に得ることが必要なのでマンション管理士の出番があるのです。マンションの大規模修繕工事に関しては1級建築士+マンション管理士というタッグが最強です。
つぶやき主が代表を務める北九州マンション管理支援機構は、1級建築士事務所でもありますのでいろんな管理組合さんからお声がかかります。
つぶやき主と経験たっぷりの1級建築士、1級建築施工管理技士がお世話するので、北九州では断トツのコーディネーターじゃないかと勝手にほくそ笑んでいます。
おそらくWWFのザウォーリアーズやNWAのファンクスにも負けないくらい最強なのです。

劣化診断~大規模修繕工事へと進んでいきますが、困ったことに図面がありません。
今回が初めての大規模修繕工事というマンションならば建築図面はあるにはあるのですが、A1サイズであったり、ところどころ抜け落ちたりしています。
まさか、でっかいA1サイズの図面を現場に持ち出せませんし、見積もり参加業者へ渡す共通仕様書とするわけにも行きません。
CADで作成しているはずなので、データはあるのでしょうが、管理組合へ引き渡されるのはでっかいA1サイズです。データは渡されません。
宅建業法によって売主は、引き渡し後1年以内にそのマンションの図面(配置図・仕様書・立面図・断面図・矩計図・各階伏図など)や構造計算書を管理組合へ交付しなければならなくなっていますが、データで渡す必要はなく、でっかく製本された分厚い図面集が手渡されます。

このデータをマンションを設計した設計会社へ“ちょっとだけ貸してよ”って言っても“ありません。もう消却しました”“版権は当社にありますからお貸しできません”って言われるのがオチです。
“ダメ~よ。ダメ、ダメ”なら少しは可愛げもあるのですが・・・。
ならば仕方ないから、図面を新規に書き起こすか!ってなりますが、結構な費用がかかります。当然この作図代は管理組合さんに請求することになりますので、管理組合さんには痛い出費です。

建築図面はところどころ抜け落ちていながらも存在してくれていますが、設備図面になると“ない”って場合が多いので困ってしまいます。
第2回目の大規模修繕工事では給排水管の延命工事を実施することが多いので、“さあ、困った。どないすべ・・・”状態です。

来年3月竣工物件の「サンパーク守恒」と「リビオ一枝並木通り」の内覧会同行のご依頼がもうかなりの数あっています。
「有難うございます。で、内覧会日はいつですか?」「まだ決まっていません。兎に角早めに予約しとこうと思って。管理規約や長期修繕計画の検証を早く受けたいです。」
「ご予約は受け付けますけど、他の方との調整もありますから、内覧会日が決まったら早めにご連絡ください」です。
この調子だと内覧会の日程が決まるまでに、予約でいっぱいになったりして・・・。
そんなこと、ナイよな。

注)ロードウォーリアーズ アニマルとホークの筋肉ムキムキマンのタッグ。顔面ペイントが有名
 ファンクス ドリーファンクとテリーファンクの兄弟タッグ。特に弟のテリーはザブッチャーとの血みどろの闘いを演じた。スピニングトーホールド大好き。