マンション管理士の独り言…565

「あのマンションど~なったかな」

丁度1年くらい前にご相談を受けた管理組合さんです。
その内容は「竣工後40年近くなるけど売主さんが永年管理面で面倒を見てくれている。でも管理費の使い道がオカシイようだし、積立金もほとんど残ってない。その売主さんは、このマンションの区分所有者でもありマンション内に店舗を構えているが、どうも管理費なんて負担していないようだ。総会なんて開かれた事ないし、管理規約って何?見たことないよ」ってものです。酷い、惨いマンションです。

調べてみると管理会社としての登録もなされていません。
当然ですが、管理委託契約も締結していなければ、重要事項説明だって行ってないし、月に1度の収支報告も実施してるわけありません。
完全にマンション管理適正化法違反です。

現在でも売主さんとしてマンションを販売していますので、マンション適正化法の事を知らないわけないと思うのですが、“屁の河童”ってなものです。
「このままじゃスラム化していくのは目に見えているので、つぶやき主さん何とか力を貸して下さい」です。
まず役員さんを決めましょう、規約を作成しましょう、なんていいましたが「兎に角、現状がどうなのかをもっと詳しく調べなきゃなんないので、つぶやき主に依頼するという形をとって下さい。総会を開催できますか?」
「総会開催なんてやったことない。とても出来ない。」
「じゃあ有志の方何人かを集めてつぶやき主も加わったところで話し合いをしましょう。」となりその後3度話し合いを持ちました。
多い時は8名くらいの方が参加されました。
そして総会開催の前に有志の方がつぶやき主に委任状を発行して、売主さんへ現状についてのヒアリングを行ってもらいましょうとなりました。
委任状も10通くらい集まったそうです。
昨年の12月の話です。

その後、委任状の取り下げが相次いだそうです。
どうやら有志の方の“動き”が悟られたようです。

売り主の社長さんは強面らしく、有志の方もひどくビビっていましたので、怖くなったのかなって、思っています。
委任状に名前が出るのは勘弁して、なんて言ってました。
プッツンと連絡が途切れました。

あれから1年経ちます。早いものです。

可愛そうな言い方をしますが、この程度の住人だからあの管理組合です。
折角何とかしようと立ちあがったのに尻切れトンボです。
最後のチャンスだったような気がします。

のど元まで出かかっていますが、どこの売主さんかは教えてあげません。