マンション管理士の独り言・・・1004

マンション管理士の独り言・・・1004

「選挙権と議決権」

昨日統一地方選が行われ、北九州市でも福岡県知事選と県議会議員選が行われました。
国民としての義務を果たしたかというと、朝ごはん食べてた時、テーブルの上に投票カードがありました。つぶやき主に政治について語る資格はなさそうです。
つぶやき主のように、サランラップを使いまわしするようなビンボー人にも、お金持ちの高額納税者にでも、等しく1票の選挙権が与えられるということが公職選挙法で決まっています。有難い話です。
学校で習った歴史では、女性には投票権がなかったり、一定額以上の納税者でなければ参政権がなかったりした時代もあったようで、それを勝ち取るために多くの人の努力があったようです。それがわかってんなら、投票行けよ!です。

多くのマンション管理組合では、4月5月と通常総会開催の季節です。つぶやき主も総会議案をセッセと作っています。
通常総会では理事会が提案してきた議案に対し、承認するかどうかを審議し採決が行われます。
この時の議決権の扱いが公職選挙法とマンション法といわれる区分建物所有法とでは大きく異なります。

公職選挙法では、男女の差や納税額、頭髪の薄さに関係なく18歳以上の日本国民には等しく1票が与えられます。
いわゆる憲法でいうところの“法の下の平等”を具現化したものです。
これに対し区分所有法は、購入した専有面積の割合に応じて議決権が与えられるというのが原則です。
つまり購入した住戸の専有面積が50㎡の人にはそのマンションの専有面積の合計に対し50の議決権を有し、100㎡の住戸を購入した人には100の議決権が与えられるというものです。

ただし実際には、キリのいい面積にはなっておらず小数点以下の数字がありますので、採決時には電卓片手で計算することになります。
これではあまりに不都合だろうということで標準管理規約では、“面積にあまり差がない場合”には、同じく1票でも構いませんよ、とされています。
ここで問題となるのは“面積差があまりない場合”とはどの程度までを指すのかということですが、多数説では面積差2倍までが限度という感じかなって、思われます。
従って面積差が2倍以上あり、管理費や修繕積立金も面積に比例して負担している場合、つまり専有面積50㎡の人に対して100㎡の専有面積住戸の区分所有者は、2倍の管理費などを負担しているってことになりますが、これで同じく1票までが限度だよ、ってことです。

最近分譲のマンションでは一番小さな住戸と一番大きな住戸とでは3倍くらいの面積差があり、しかも面積に応じて管理費などを負担するとなっている物件が数多くみられます。
このような場合例えば、小倉DCタワーでは50㎡を一つの区切りとし1票から3票までがそれぞれの専有面積に応じて付与されています。
また、パークハウス桜坂サンリヤンでは、区分所有法通り専有面積割合がそのまま議決権割合となっています。79,39㎡の住戸所有者は,2,512,628分の7,939の議決権を保有しています。

しかし、黒崎で開発中のマンションでは面積差が5倍あり、専有面積に比例して管理費などを負担しているって状況なのに、議決権は同じく1票です。
大きな住戸を保有している方から、将来クレームがつかないか心配しています。
もう少し精度の高い管理規約を作らなきゃ、です。

他人のマンションのこと心配する前に、自分が住んでいる地域生活に密着する選挙くらいには行けよ!って言われたら、・・・おっしゃるとおりです。