マンション管理士の独り言・・・1029

マンション管理士の独り言・・・1029

「議決権割合」

議決権割合は、その所有する専有面積の割合に応じるというのが区分所有法の基本的な考え方です。
100㎡の住戸を購入した人は、そのマンションの全戸数の専有面積に対して100の議決権を持ち、50㎡の住戸を購入した人は50の議決権を持つということです。
しかしこ現実には100とか50とかの切りのいい数字にはなりませんから、総会の折に、賛成者の数を電卓片手に足し算しなきゃ、となって大変です。
そこで、“面積の差があまりない場合は、1票ずつでも構いませんよ”というのが標準管理規約の考え方です。
この標準管理規約の考え方に基づき1住戸に1議決権としている管理組合さんが多かったのですが、最近は特に大手の場合には、専有面積に応じて議決権を付与するという管理組合さんが増えてきました。
パソコンのエクセルなんかを工夫すれば総会時にもそんなに手間がかならなくなってきたのが一因だと思われます。

面積差があまりない場合というのは、1,5倍程度までというのが通説です。
面積差が2倍あり、しかも面積に応じて管理費や修繕積立金を負担している場合で議決権が同じ1票ずつとなっていれば無効とされるというのが一般的な考え方です。
今まさに参議院選挙の真っ盛りですが、選挙権は納税額や年齢に関係なく等しく1人に1票ですが、管理組合での議決権の与え方は根本的に考え方が違うのです。

1階に店舗が入っている複合型マンションです。管理規約では専有面積に応じて議決権が付与されるとあります。管理費や修繕積立金の負担については、これも“専有面積に応じて”と規定されています。
ところがもう長いこと、議決権1票だけで、管理費についても70㎡程度の住戸分しか負担していませんでした。
つまり本当は20議決権があるはずのものが1議決権だけで、反対に毎月20万円超負担しなければならなかった管理費は、たったの1万円で済んでいたというものです。
以前より組合員さんや店舗所有者はウスウスと“何か可笑しくねエ”と、気付いていたようですが、大規模修繕工事実施に当たり店舗さんの負担割合を考慮しなければならなくなり、この問題を整理することになりました。

北九州でこんな難しい複雑な案件、当事者と何度の打ち合わせが必要な案件を任せられるのはつぶやき主さんしかいない、っていう管理会社さんのお言葉に浮かされちゃって、仕事に取り掛かっています。

最終的なゴールイメージは管理規約の改正です。これもただ単に改正すればいいというものではなく、住戸部分所有者も店舗所有者も遵守できるというものにしなければ意味がありません。
現状を大幅に変えることなく、関係者と打ち合わせが必要です。頻繁に理事会を開催し、臨時総会だって何度も開催することになります。

今夜は、上階のピアノの音がうるさいというお申し出を受けて上階の方に、“もうちょっとお静かに”とお願いベースでお話に行きます。お願いベースです。