マンション管理士の独り言・・・1169

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「ドレン排水」

エアコンの室外機や最近のエコジョーズ給湯器からはドレン水が発生します。

ドレン水は空気を暖めたり冷やしたりする際の熱交換器に付着した結露水です。

ドレン水は、一見するとキレイに見えますが、エアコンなどの内部に付着したカビやバクテリアなどの他わずかな金属の成分が含まれることもあります。このためドレン水を植物にやったり、動物に与えることは避けなければなりません。

マンションの場合、ドレン水の排水方法は、以前はバルコニーなどの床コンクリート面にそのまま垂れ流しでしたが、最近ではドレン管やドレンレールを設備して排水しています。

玄関先でのドレンレールの設置方法は大きく2パターンあり、ドレンレールのみの場合とむき出しのドレンレールでは見かけも悪いので、床に貼っている防滑シートの下に排水用のパイプを埋め込み、それを廊下手摺際まで隠蔽配管している場合とがあります。

バルコニーでは、見かけは関係ないという考えからか、ほとんどのマンションでドレンレール仕様となっています。

ドレンレールの下には防滑シートが貼っていません。ドレンレールの両端まで左右から防滑シートを貼り、つなぎ目をシールするという仕上げです。

ドレン水をバルコニー手摺際の排水溝まで流すためにリビングサッシュ(上)から手摺際の排水溝(下)まで勾配をとります。

その勾配は取れているのですが、途中に凹凸があり、ドレン水が流れきらず、凹んだところに溜まったドレン水がレールの横からはみ出してしまうという事象がよく見られます。

要するに下手ッピイな仕上げなのです。

ドレンレールからはみ出したドレン水は世界地図のように防滑シートを汚します。

また、ドレンレールのシール部から下のコンクリートに染み込んでしまって、下階のバルコニー上裏に白華として現れます。

ドレン水排水パイプを防滑シートの下に埋め込む方法が良いのかというと、こちらの方がよい仕上げで見てくれも優れています。

しかし床下の排水パイプの勾配が確保されているのか?途中で破れていないか?そもそもパイプが本当に入っているのか?パイプが途中で詰まっていないか?は確認できません。小倉北区のマンションでは試しに色のついた水を流してみましたが、入れられた色付き水はいつまで経っても手摺際の排水溝に現れなかった、ということもありました。

一体流し込んだ色付き水はどこに行ったのでしょう?でした。

また、手摺際の排水溝にあるパイプの出口がコンクリートなどで塞がっているというのはよく見かける不具合です。

また居住者の方でもドレン水排水を全く気にかけず、キチンと施工されているドレンレールがあるのに、ドレン管がレールを外れていてもお構いなし、という人もいます。

その周辺には見事な世界地図が出来上がっています。

“大した量でない”と甘く見てはいけません。施工者も居住者もです。

見てくれも悪いし、構造躯体に影響だって及ぼします。