マンション管理士の独り言・・・1407

マンション管理士の独り言・・・1407

「文明の進歩に追いつけない」

つぶやき主が小学生の頃は、一家に一台電話があるって状況ではありませんでした。

数件に1台しかなく、電話機のあるお宅からよく呼び出しがかかっていました。

その後一家に一台となり、やがて携帯電話の普及により一人で一台という時代になっています。複数台を使い分けている人も沢山いるようです。

街中で見られた公衆電話も見かけなくなりました。

マンションでも同じことが言えます。以前はなかった家電製品などがどのご家庭でも設置・使用するようになり、それがあっという間に普及しちゃって、マンション管理組合でどう対処すべきが頭をひねる状況になっています。代表的なものを4つつぶやきます。

先ずは、ドラム式洗濯機。節水が出来て汚れも落ちやすいということで多くのご家庭で使用されています。

ドラム式洗濯機は2年に一度くらいの頻度で行われる排水管高圧洗浄時に厄介な存在です。最近分譲のマンションでは、四方が大きく立ち上がっている洗濯バンが設置されていますのでその隙間から洗浄ホースを入れ込むことが出来るのでいいのですが、以前の立ち上がりの低いバンでは、洗濯機を移動させなければなりません。

しかしドラム式洗濯機は重量があり移動させる際に壁紙を傷つけたりすることがあるので、洗浄業者さんは嫌がります。ドラム式洗濯機のご家庭では、その部分だけは洗浄を行わないって業者さんもあるほどです。

続いては、柔軟剤。以前はありませんでしたが、最近では使用しないご家庭の方が少ないくらいです。柔軟剤を使用して洗濯しそれをバルコニーに干すわけですが、お隣さんから“柔軟剤が臭う”ひどくなると“頭痛・吐き気がする”って苦情が管理組合に持ち込まれます。化学物質過敏症と言って上記症状以外にも、鼻水、耳鳴り、のどの痛み、せき、どうき、息切れ、湿疹、目がチカチカするなど、アレルギー反応や喘息を誘発するなどさまざまな症状が現れる方もいます。管理組合として柔軟剤の使用を禁止することは出来ませんが、頭を悩ます事象です。

3番目はケルヒャーです。高圧洗浄機です。最近では静音タイプも出てきましたが、騒音よりも漏水の危険性があるのが厄介です。これでバルコニー床を高圧洗浄されると頻度にもよりますが、階下への漏水の危険があります。防滑シートのジョイント部分が脆弱です。溶接していますが、下地は防水仕様とはなっていません。また勾配がきちんと確保されていない床の場合は凹んだ箇所に水が集まり、そこがジョイント部分だったりすると漏水の危険があります。階下バルコニー上裏に白華現象が現れちゃいます。

一番最近では、電動キックボードです。保管場所に頭を悩ませます。

物理的に自転車置き場にはおけないし、バイク置場はそんなに台数確保していません。

仮に空いていたとして有料とするのか?です。

エレベーターで自宅まで持って行ってポーチに置けばいいと考えますが、そう簡単にはいきません。ほとんどが折り畳み式のようですが、自重が軽くてもママチャリ並みの20キロくらいありそうです。

また、エレベーター内に自転車の持ち込みを禁止している使用細則は数多あります。

さらに、ポーチには植木鉢や傘立て以外は置けないようにルール化している管理組合さんも多いのです。

規約や細則を作った時には考えてもみなかった“文明の利器”が現れるようになり、頭をひねらなければなりません。