マンション管理士の独り言・・・182

「ペット飼育可へ向けて、奮闘努力中」

顧問として管理組合活動をお手伝いしているマンションで、管理規約には“ペット飼育不可”となっているものを“ペット飼育可”とするよう奮闘しています。
そのマンションは築19年の自主管理で、総戸数40戸。
輪番で回ってくる役員の負荷が大きいということで、全面委託管理への切り替えをするために専門家のアドバイスを受けたい、ということで当時の理事長さんからお声がかかり、2月からお手伝いをしています。
全面委託管理に変更するには、現在の管理費を値上げしなくてはならず、また自主管理と委託管理の違いについても良くご理解いただく必要があるので、それらの点を落とし込んで、アンケートを実施しました。

質問1、質問2、質問3、・・・と続き、最後にお決まりの備考欄を設けて、「その他ご意見ありましたら、ご記入下さい。」としていました。
アンケートを回収してみてビックリ!!
その備考欄にペットについての苦情や、ご意見がワンサカと書かれています。

アンケートを実施する際に、つぶやき主から、“このマンションでは管理規約でペット飼育不可となっているが、実際に飼育している方もいらっしゃるのでは?アンケートに盛り込まなくていいのですか?”という質問も投げかけたのですが、“ペットについては触れなくていい”というお答えだったので、キチンと整理がなされているものと思っていました。
ここからが、苦難の始まりです。
委託管理への切り替えとともに、1度も改正していない管理規約の改正も、“時代に合わせて、またマンションの実情に合わせて見直してほしい”との要請もあります。
管理規約改正には、ペット飼育についてキチンと文言として規定する必要があります。

再度、ペット飼育についてのアンケートを実施しました。
現在飼育している方には、部屋番号と名前は必ず記名していただき、さらに飼育しているペットの種類や、飼育場所、体重などを記入してもらいました。
いないと思っていたはずのペット飼育者がなんと9世帯ありました。
また、全員に対し、ペット飼育についての考えをお聞きしました。
選択肢は、
①ペット飼育不可
②ペット飼育可
③厳しいルールのもとで1代限り飼育容認   です。
ペット飼育不可の方が、16名(40%)。
厳しいルールのもとで容認という方を含めて、いわゆる容認派が24名(60%)
これを受けて、臨時総会では、“理事会としては「厳しいルールのもとで1代限り容認」とする方向で進めます”と宣言し、承認を得ました。

つぶやき主が飼育細則(案)を作成し、理事会で摺り合わせを行いました。
理事会がペット飼育についての最終決定権者になることについては異存はないのですが、“苦情処理や啓発などをペット飼育者自ら行えるような組織が必要ではないか、またその会があることで理事会の負荷も和らぐことに繋がる”、ということになり、ペット飼育委員会を立ち上げる事としました。
その第1回目の設立準備会というか、ペット飼育細則(案)、ペット飼育委員会会則(案)についての検討会をペット飼育者の方全員に集まっていただき先日実施しました。
これがまた大変でした。
何とか、設立準備会の会長・副会長も決まり、飼育細則(案)も出来上がりました。

年末には、ペット飼育反対派の方にもお集まりいただき、説明会兼討論会です。
どのような集会になるのやら、全く読めません。
まだまだ道半ば。先が思いやられます。とても大変な作業です。
説明会兼討論会の様子や、その後の進捗についてはまた後日。