マンション管理士の独り言・・・348

「悪質な修繕積立金」

6月20日に開催された衆議院国土交通委員会では、悪質な修繕積立金の低額提示について議論されました。
分譲時にマンション販売業者による修繕積立金の「意図的な低額提示」について、大幅な低額提示は不実告知にあたるとされました。
そして国交省土地・建設産業局長というえらい方が、「大幅に不足することが明白であったり、かつ知っていて説明を行わなかった場合は、宅建業法47条(禁止事項)に抵触する可能性があり、監督処分の対象となり得る」と発言しました。
本日訪ねて来られたお客様も、修繕積立金が将来値上がりすることはご存じなかったようで、つぶやき主の説明に「そうとは知らなかった」でした。

最近分譲のどのマンションでも低額な修繕積立金、いい加減な長期修繕計画が多い中で、西小倉駅前のアースコートディア西小倉ガーデンのものは優れていました。
ここの長期修繕計画では、修繕積立金の値上げ計画について販売時から2パターン用意していました。
1つ目が当初1住戸平均4,000円の修繕積立金が5年目に10,000円と2,5倍に値上げされるパターン。
もう1つが、5年目に7,800円。10年目に11,800円と、2段階に分けて値上げするパターンです。
値上げすることを包み隠さず、しっかりと公表しています。
素晴らしい!!ザブトン3枚です。

特に最近は、「ローンの支払いに管理費・修繕積立金を加えても○○円です。まだ家賃を支払い続けますか?」なんていうキャッチコピーで販売促進するワンパターンの業者ばかりです。
ですから、“5年目に修繕積立金が2倍に、10年後には3倍に上がります”、なんてことは口が裂けても言えないのでしょう。

営業マンに聞きましょう。
「修繕積立金は値上がりしないの?」
この問いに対し、「修繕積立金の値上げは管理組合で決めるものです。足りないようだったら、皆さんで決めましょう」みたいな返答だったら、この営業マンはあまり信用できず、また勉強不足です。
「修繕積立金は安ければいいというものじゃありません。当社は5年目、10年目には値上がりされる長期修繕計画を皆様へお渡ししています。しかし、建築費の高騰や諸物価の値上がりに伴って、これ以上の値上がりとなることもあり得ます。管理費や修繕積立金の使途を毎年の総会でキチンと確認して無駄のない管理に心掛けてください」なんて返答の営業マンはまず信用して間違いないでしょう。

また、駐車場使用料や専用庭使用料なども管理費に充当されるのではなく、できれば修繕積立金として積立てられるようになっている方が、おススメですし、国交省もそのように指導しています。
まだ、分譲駐車場や駐車場使用料タダとしているマンションもあったりしていますが、・・・
もう少し、将来の管理組合活動がキチンと運営できるように、当初の販売をしていただきたいものです。
ちなみに全国の修繕積立金の平均額は10,898円ですよ。