マンション管理士の独り言・・・355

「バルコニーの使い方」

今週号のリビング北九州「マンショントラブル相談室」はバルコニーの使い方です。
つぶやき主が代表を務める北九州マンション管理支援機構のW管理士が質問に対して回答原稿を作成し、つぶやき主が添削し掲載されます。
今回の相談は、「マンションのバルコニーは誰の物?自由に使っていいの?」に対し、回答は「バルコニーは共用部分の専用使用部分という扱いで、そのマンションごとにルールがあるので、管理規約や使用細則をよく読んで使いましょう。また、バルコニーは避難通路としての役割もあるので、ヘタテ板を塞ぐようなものは設置できません。さらにバルコニーは防水加工を施していないので、散水するなどはダメです」というものです。

バルコニーは避難通路というのは大方がご存じだと思いますが、防水仕上げになっていないというのはあまり知られていないようです。
バルコニーで防水仕上げになっているのは、一番奥の排水路だけです。
バルコニー本体には防水仕上げとなっていませんので、ここに水を流すと床コンクリートに浸み込んで将来的には漏水の危険性が増します。

今はバルコニーには給水口があるのは当たり前ですが、10年くらい前までのマンションには給水口はありませんでした。
あれば便利なのに、という購入者からの声が寄せられているのは知っていましたが、給水口を設けるとどうしてもホースで散水し、デッキブラシでゴシゴシと掃除をしたくなるのが人情です。
ところがこのホースで散水、ブラシでゴシゴシは、バルコニーが防水仕上げとなっていないため、漏水の原因になってしまうので、敢えて給水口は設けていませんでした。

ところが最近は奥行2mを超すバルコニーも登場し、給水口なんて標準仕様となっています。
しかし、この最近のマンションバルコニーでも防水仕上げとなっていませんから、やはりホースで散水、ブラシでゴシゴシはノーグッドなのは変わりありません。

このことを入居者へ営業段階や、入居当初にキチッと説明していないので、「何故、ホースで散水が悪いの?」「広いバルコニーでプール、残った水で床ゴシゴシが効率的」なんていう入居者が増えてしまいます。
当初からしっかりマンションライフについて説明しておかないと、無用なトラブルが増えちゃいます。

「バルコニーでタバコはどうなの?」って聞かれちゃいました。
管理規約や使用細則などでエントランスやエレベーター内の共用部分やマンション敷地内では禁煙としているところが多いようですがバルコニーでの喫煙に対しては何ら規定していないというのが圧倒的です。
しかし少数ですがバルコニーでも全面禁煙としているところも見かけます。
ですから、「タバコはどうなの?」に対しては、管理規約や使用細則で確認してください。多分禁止とはなっていないでしょう。しかし、バルコニーは専用使用部分ですから、その使用ルールは総会の決議(普通決議=過半数)で決められますから、皆さんでよく話し合って下さいね、となります。